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「ウォーゲームって何ですか」とのたまう新人に太平洋戦争を“体感”させてやる!君は山本五十六の苦悩を感じることができるか?(2/4 ページ)

映画「聨合艦隊司令長官 山本五十六」が封切られ、多くの日本人が太平洋戦争を“視覚”で知る2011年の年末。しかし、ウォーゲームなら彼が感じた恐怖も“体感”できるのだ!

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新人女子、ミッドウェーを占領す!

 それじゃ、サイコロをふって、大きい数が出た新人男子が連合軍、新人女子が日本軍ね。太平洋戦争の始まりといえば、そう、教科書に載っている真珠湾攻撃だ。日本軍は真珠湾を攻撃するコマを選んで、空母で攻撃する米戦艦を決めてくれ。1隻の戦艦を複数の空母でボコボコにしてもいいぜ。

 決めたら、攻撃する空母の“航空攻撃力”と同じ数のサイコロを振る。 そりゃ! てー! どどーん! 6(航空攻撃力に白丸がついていれば5と6)が出れば命中だ。え、なに? 運まかせじゃないですか、と。そう、確かにそういう意見も多い。しかし、サイコロ勝負は勢いと気力が肝要。そして、実際の戦いで勝敗を決するのも“勢い”だ。だから、これはこれで正しい。

 勢いで転がした日本軍の“サイコロ”戦果は、戦艦3隻撃沈1隻大破。ここで、日本軍はもう一度真珠湾を攻撃するか引き上げるかの決断をする。攻撃すれば戦果を拡大できるが、連合軍の反撃を受けるリスクもある。史実では、戦果を拡大せずに引き上げた日本軍を非難する意見も多かった。どうする? 新人女子。

 「攻撃されて空母が沈んだらもったいないので、日本軍は引き上げまーす」

 かくして、日本海軍機動部隊はハワイ沖から引き上げていくのであった。史実でも、日本の指揮官は増援のない日本軍の兵力消耗を恐れて総じて消極的に行動し、その消極的な行動は後世で非難を受けることになる。しかし、ウォーゲームでも、日本軍を率いる新人女子は、日本の国力を知る“現場の感覚”で史実と同じ判断を下したようだ。

空母で攻撃する戦艦を決めたらサイコロをどどんとふって損害判定。攻撃を集中させると8個とか10個とかのサイコロを豪快に投げる(写真=左)。真珠湾攻撃の戦果は撃沈、戦艦3。大破、戦艦1(写真=右)

 日本軍は、インドネシアでも基地航空隊が英戦艦「プリンス・オブ・ウェールス」を撃沈して第1ターンの1941年(昭和16年)12月を終了。次は、第2ターンの1942年(昭和17年)5月だ。史実では、珊瑚海海戦からミッドウェー海戦とつながるターニングポイントだ。こうして、“ターン”を重ねて、第8ターンの1944年(昭和19年)10月のレイテ海戦まで太平洋戦争を戦っていく(オプションでは第9ターンの昭和20年1月も用意されていて、空母“信濃”が登場する)。第6ターンの1944年1月には連合軍の大増援があるので、それまでにできる限りのエリアを奪って点数を貯めておきたい日本軍は、どこを攻める?

「ミッドウェー、いっきまーっす」

 ぬぉおおお。新人女子は、ミッドウェーがある中部太平洋に連合艦隊の主力を向けてきた。こちらも、教科書に載っている有名な作戦で、ここで日本が大敗し敗戦のきっかけとなったことを知る日本人は多い。「ミッドウェーで勝っていれば」と考える日本人も少なくない。新人女子も「私がミッドウェーを取ったるでー」の気迫で、新人男子が送り込んだ米太平洋艦隊主力を殲滅し、ミッドウェーを占領してしまった。

 勢いに乗る日本軍は、その後も破壊的なサイコロの目(5と6を量産)で史実以上に勢力を拡大し、日本軍の“鬼門”とされるガタルカナルの占領はもとより、珊瑚海も奪って史実の日本海軍が目標として挫折した「米豪連絡線の遮断」を完遂した。そして、大量増援を得た連合軍の反抗が始まる直前の第5ターン、1943年1月が終了したそのとき!

「予定があるので、これで失礼しまーす」

 かくして、新人女子率いる日本軍は、強引な外交手段をもって、太平洋戦争を勝ち逃げしたのであった……。

勢いに乗る日本軍は、史実で大敗したミッドウェーのみならず(写真=左)、手が届かなかった珊瑚海まで手中に収め(写真=右)、連合軍の本格的な反攻直前に強引に戦争を終わらせたのであった

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