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電動スクーター、e-Let'sで往く! 新宿発、秋葉原行き買い出しツアー散歩するガジェット(1/3 ページ)

原付スクーター感覚で運転でき、電動アシスト自転車のようにバッテリーを取り外して充電可能な電動スクーターe-Let'sで、新宿から秋葉原まで往ってまいりました。

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“Let's”の名にスズキの本気を感じた!

 2012年2月現在、電動二輪車を発売しているいわゆる国内大手メーカーは、EV-neoの本田技研工業と、EC-03のヤマハ発動機、そして1月9日に発売したe-Let'sのスズキです。

 しかし、どれもガソリンエンジン車でいうと50cc相当の原付一種(以下、原付)という同じカテゴリーの車両なのに、製品の性格はまったく異なっています。EV-neoは質実剛健で業務用向けを主眼としており、EC-03は今までとは異なる近未来的デザインで、新機軸のヴィーグルという位置づけを狙っているといった具合です。そしてe-Let'sですが、これはもうスズキらしいリアリティのある車種ではないでしょうか。

 筆者も以前、乗っていましたが、スズキのベストセラースクーターにアドレスV125シリーズがあります。アドレスV125も体現していましたが、スズキの持ち味は実用性の追求と限られた製品カテゴリーの中でそれをパッケージングにおさめる絶妙なバランス感覚にあるのではないでしょうか。e-Let'sを製品化する際のコンセプト、アプローチも今までのガソリンエンジンの原付スクーターと同じ使い勝手を目指した正攻法ともいうべき観点に立ちつつ、ガソリンエンジン車にはなかった利便性を加味しています。筆者は、ガソリンエンジンの原付スクーターとして歴史ある“Let's”の名を製品に冠したところに、スズキの本気を感じました。

 ちなみに読者諸兄姉の「スズキは電気モーターとか専門外なんじゃないの?」という懸念は、インホイールモーターやリチウムイオン電池などは、パナソニックグループから供給されているという事実が払拭してくれるのではないでしょうか。

画像 ラインアップはe-Let's(メーカー希望小売価格31万2900円)、e-Let's W(メーカー希望小売価格39万6900円)の2車種。車両本体はまったく同じ仕様で、違いはWにスペアバッテリーが付属しているところ。カラーはスプラッシュホワイトのみ

画像 シート下にはバッテリーが入っているのでトランクスペースがない。収納スペースとしては、この容量25リッターの「ロール式シャッター付フロントビッグバスケット」があり、ハンドル下には2リッターのペットボトルが収納可能な「フロントインナーラック」、足下に置いたカバンの持ち手をかけて固定できる「かばんホルダー」を装備している
画像 シート下の様子。前部が下にソケットのある電池収納スペースで、後部がスペアバッテリーか専用充電器が収納可能なスペースになっている。スペアバッテリー、充電器を出した状態なら小物ぐらいなら収納可能だ。キャリアに載っているのが専用充電器

画像 専用リチウムイオンバッテリー。重量7.5キログラムで、容量14.2Ah。家庭用電源で充電でき、充電時間は約4時間。スペアバッテリー単品売りの価格は8万4000円。e-Let'sには1つ、Wには2つ標準装備されている

走行音より風切り音が大きい印象

 筆者は前回のビビチャージのように、電動アシスト自転車には何度か乗ったことがあったのですが、電動バイクには今回初めて乗りました。走ってみた最初の印象は、話には聞いていたものの「ホントに静かだな」というものです。走行中は、アライヘルメットの耳まで覆われるジェット型のヘルメットを被っていましたが、スピードによっては走行音よりもヘルメットが風を切る音が聞こえていました。ガソリンエンジンのバイクに乗っていると、早朝や深夜に近所迷惑にならないよう手前の道路でエンジンを切って、集合住宅の駐輪場まで押して帰るなんてことをやったりしますが、電動であればそんな苦労はなくなります。

 ただし、周囲がエンジン音でこちらを発見できないというのがデメリット。今回、細い車道でしばらく自転車の後ろを走るというシーンがあったのですが、抜くまで自転車はこちらの存在に気がつきませんでした。バイクだと自動車に比べて避けやすいこともあり、歩行者や自転車に対するクラクションをためらいがちですが、電動スクーター乗車時は危険だと感じたらすぐ鳴らすべきだと思いました。賛否両論あると思いますが、場合によってはカスタムスクーターのごとく、何か音楽でも流しながら走る必要があるかもしれません。あとは当然ながら、ガソリンや排気ガスとは無縁ですから、その手の臭いもありません。もちろん、ガソリン補給の必要がないのでガソリンスタンド探す必要もありません。エンジンオイルの交換をする必要がないのも利点ですね。


細い道路を幹線道路に向かって走っている。最後に映っている幹線道路を走る自動車の走行音と比べると、e-Let'sの走行音の小ささが良く分かる
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