日本じゃ余裕だけれども…… すれちがい通信を使って3DSの北米での普及度合を調べてみた【デジ通】
CES取材での訪米に合わせアメリカの西海岸ですれ違い通信を試してみた。
任天堂の携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」の日本での販売数は、「とびだせ どうぶつの森」といった人気のタイトルが出たおかげで結果を出しており、メーカーの公式発表によると海外でもそこそこのようだ。単なる数字による結果ではなく、実態としてどのくらい活用されているかが気になるところ。
例えば日本なら、都市部など人の多い場所で、3DSを持って少しうろうろしただけで「すれちがい通信」機能を使ってやり取りができる。各人各様にそれぞれの3DSを楽しんでいるのが実感できる。2013年1月のアメリカではどうだろう? ということでCES取材での訪米に合わせアメリカの西海岸ですれ違い通信を試してみた。
■人の集まる場所なら、ほぼすれ違える日本
日本では鉄道のターミナル駅、人の多いショッピングセンターなどに行けば、かなりの確率で3DS同士が自動的に遊んでいるソフトの情報などをWi-Fiを通して交換する「すれちがい通信」機能を楽しむことができる。
これによって今ちまたで遊ばれているソフトの人気がわかったり、自分が遊んでいるゲームをより楽しむためのデータなどが転送され、ただ単に一人でゲームをやっている以上に3DSを楽しむことができる。
この「すれちがい通信」機能は、本体を所有し、すれちがい通信機能を使うように設定し、日常的に持ち運ぶ事で効果を出す。つまり、この機能を使っていると言うことは現役のゲーム機として愛用しているという何よりの証拠にもなるのである。
日本の都市部では、実際に3DSを持ち歩いているユーザーが多く、都内で1日持ち運べばかなりのユーザーとすれ違うことができる。すなわち3DSが、よく普及していることが実感できる。
■普及が進まないアメリカでのすれ違い通信機能
約1年前にアメリカで調査した際は、ユーザー自体はそれなりにいるようではあったが、アニメ関連など特定のイベントに行かないと、3DSを使っているユーザーとなかなかすれ違うことができず、日常生活に近い環境ではこの機能を楽しむことはほとんどなかった。
その後1年が経過し、3DS自体の販売数自体は伸ばしているはずなのだが、車での移動が基本のロサンゼルスなどでは、各ユーザーの物理的距離が離れていることもあり、日本と同程度に販売していたとしてもすれちがい通信を同じように楽しむことは難しい。
たとえばロサンゼルスで人の多い観光地、両車線合わせて10車線以上のハイウェイでの30分以上の渋滞、いくつかのショッピングセンターなど、人の多い場所ですれちがい通信の結果を確認しても、去年と同程度という日本とは全く異なる結果になった。そもそも3DSを持ち歩いていないと見るほうがいいのだろう。
日本で人が集まってくる場所に長時間いるような場合、1日も経たないうちに、いくつかのソフトですれちがいの上限に達してしまうが、ロサンゼルスの場合は、数件すれ違えるかどうかといった状況だった。
■すれ違いイベントの開催などで、もっと機能をアピールしたらどうか?
もちろん、人は多いが車移動が基本というロスアンゼルスの環境は特殊ではあるが、人口の多いこの都市ですれ違いが難しいなら、ここよりも人口の少ない場所で日常生活ですれ違うことは困難だ。お国柄の違いが、ここまで出るとは、筆者的にもかなりの驚きだ。
今後の3DSの普及がさらに増えればアメリカでのすれ違い通信も楽しめるようになるかもしれないが、現状では日本と同じように楽しむことはできない。すれ違い通信を楽しむイベントを開催するなどして、人を集め、すれ違い通信の楽しさが実体験として理解できるようなイベント等を開催するなどしないと、アメリカでのすれ違い通信機能は、無用の長物になってしまうかもしれない。
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
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記事提供元:ITライフハック
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