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習慣を作るには「負の感情」に注目せよ――予防医学研究者・石川善樹さん<後編>(2/4 ページ)

話を聞いてみたいあの人に、生活習慣や健康のコツを聞く本連載。前回に引き続き、予防医学研究者の石川善樹さんにインタビューしました。

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パフォーマンスをキープするために血糖値を一定に保つ

――ほかにおこなっている習慣はあります?

 血糖値コントロールですね。NASAですごく研究されているテーマでして、パフォーマンスを落とさないためには血糖値をコントロールすることがカギなんです。例えば、お腹が空いてから食べるのは遅くって、既に血糖値は下がっています。私は1日4食、油と糖分をなるべく少なくした和食中心の食生活をしています。

 毎日のリズムとしては、9時に起床して朝食を摂り、12時にランチして、15時に間食、そして19時に夕飯といった流れです。3〜4時間ごとに食べていますね。

 以前はコンビニでランチを買うとき、「おにぎり2個と野菜ジュース」とか「おにぎりと菓子パン」という組み合わせでしのいでいました。体力のある20代はこれで乗り切れましたが、30代では身体が持たなくなってきました。栄養バランス的にはいわゆる和食の定食が理想ですけど、どうしてもコンビニで買わざるを得ないときは、「ゆでたまご1個、おにぎり1個、味噌汁」を選びます。食べる順番も大事で、最後に味噌汁で締めると深い満足とともに食事を終えられるんです。


「栄養ドリンクは飲んですぐの30分ほどは一時的にパフォーマンスが上がるんですが、そのあと数時間は逆に下がってしまいます」

 脳の快楽はアッパー系とダウナー系の二種あって、アッパー系は油や糖分によってもたらされる「もっともっと!」な欲望。ダウナー系はお吸い物や味噌汁のようなうま味で引き起こされます。おにぎりとゆでたまごだけだと物足りないこともあるので、そんなときは間食にスモークチーズやナッツで補います。数時間おきに小刻みに食べることで、血糖値を一定に保っています。

 疲れたときにもうひと踏ん張りするため、栄養ドリンクを飲む場合がありますよね? でも効果は一瞬だけ。栄養ドリンクに頼ることがそもそも非効率です。それよりも、食事の栄養で補うべきでしょう。

――睡眠に関しても何か習慣が?

 1日8時間寝ると決めています。起きている16時間をフル活用したいので、日中に眠気に襲われたくないんです。そのためには血糖値コントロールが大切なんですが、慣れてくると感覚で分かるようになります。集中力が落ちてこないかどうかがサインですね。糖分を摂りすぎると、血糖値は一気に上がって、その後がくんと落ちます。高いままキープはできません。インスリンが膵臓(すいぞう)から分泌されて、必ず下がるように人体はできていますので。

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