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「絶版違法マンガファイル浄化計画」、漫画家の赤松健氏が立ち上げ

ネットに出回る絶版漫画の違法ファイルに対抗するため、赤松健氏が「浄化計画」を発表。ネットユーザーの力を借りて違法ファイルを回収し、作者から許可を取って合法化するという。

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ブログで「絶版違法マンガファイル浄化計画」を発表

 ネット上に出回る絶版漫画の違法なファイルを合法化し、作者に利益を――漫画家で絶版漫画配信サイト「Jコミ」を運営する赤松健氏が、「絶版違法マンガファイル浄化計画」を立ち上げる。

 P2Pネットワークなどでは、漫画をスキャンしたJPEG画像をまとめたZIPファイルが出回っている。出版社は連載中の作品についてはこの種のファイルを監視しているが、絶版漫画に対しては対策が取られておらず、ネット上で違法に流通している絶版漫画の権利は「誰も守っていない」と赤松氏は指摘している。

 同氏はこの状況を受け、絶版漫画の違法なZIPファイルを回収して合法化する「絶版違法マンガファイル浄化計画」をブログで発表。この計画では、ネットユーザーの力を借りて絶版漫画のZIPファイルを集め、作者から許可を得て広告を挿入して配信し、利益を全額作者に還元する。

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 「最終目標は、ネット上に流れる全ての『違法な絶版マンガファイル』を、『広告入りの正規版(作者がOKしたもの)』と入れ替えること!」(赤松氏)

 この計画はJコミが正式オープンする4月12日に開始する。同氏はネットユーザーに対し、違法な絶版漫画のファイルをJコミに提出するよう呼びかけている。Jコミは提出されたファイルをすぐには公開せず、作者に連絡を取り、配信許可を得て「浄化(合法化)」してから公表する(その際、作者からプロバイダ責任制限法に基づいてファイル提出者の個人情報請求があったとしても、Jコミはファイルを公開していないため請求に応じる必要はないとしている。ファイルの削除要求には応じるという)。

 ただし配信許可を取るには時間がかかりそうだ。Jコミは既に作品の公開を許可している作家のホワイトリストを持っているが、ほとんどの漫画ファイルは新たに作者の許可を得る必要がある。作者が亡くなっており、遺族も見つからない場合は、文化庁で裁定手続きを取って作品をJコミに収録できるが、それにも時間が必要だという。

 赤松氏は昨年、絶版漫画の違法流通に対抗するためにJコミを立ち上げた。同サービスは絶版漫画を広告入りでネット配信し、収益を作者に還元している。

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