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「ライトなオタク」増加でオタク市場拡大 矢野経済研究所調査

矢野経済研究所の「オタク市場」調査によると、「自分はオタクだと思う」という人が前年から増加。「オタク」という単語のネガティブな意味合いは薄れつつあるようだ。

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オタク市場の各分野

 自分はオタクだと思う人は増加しており、約4人に1人に上っている――矢野経済研究所は10月26日、2011年の「オタク市場」に関する調査結果を発表した。

 同社が約1万人を対象に実施した調査によると、自分を「オタク」だと思うか、または人から「オタク」と言われたことがあるかという質問に対し、25.5%が「はい」と答えた。前年の同様のアンケートと比べ、5.1ポイント増えたという。「『オタク』という単語のネガティブな意味合いが徐々に薄れつつあり、自身や他者に対してより気軽に『オタク』という言葉が使われるようになっていることがうかがえる」としている。

 「ライトなオタク」の増加を受け、2010年度にオタク市場の規模は拡大。2009年度には世界的不況の影響も若干あったが、2010年度はリーマンショックの影響が小さくなってきたこと、コアユーザーを確実に取り込んでいること、リーズナブルな商品・サービス提供によるエントリーユーザー獲得から、好調に推移したとみられる。

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 分野別に見ると、2010年度に拡大したのは、オンラインゲーム、恋愛シミュレーションゲーム、電子コミックなど。オンラインゲーム市場は、ヘビーユーザー向けコンテンツは頭打ちとなっているが、ソーシャルゲームが伸びて前年度比40.5%増の2994億円となった。

 恋愛シミュレーションゲーム市場は同30.2%増の112億円。女性をターゲットとした携帯電話向けゲームが一般女性ユーザーも取り込み、市場拡大に寄与したという。漫画市場は縮小傾向にあるものの、電子コミック市場はコンテンツラインアップの拡大や端末の高機能化、タブレットやスマートフォンの普及といった要因を追い風に、同28%増の540億円となった。

 アニメ化などメディアミックス戦略が奏功したライトノベル市場も好調に推移。同人誌市場は、同人イベントの参加者増、同人誌取扱店やダウンロード販売といった流通チャネル拡大で市場規模が拡大しているが、2011年度は東日本大震災の影響によるイベント中止や自粛ムードなどから、若干縮小すると予測されている。

 アイドル市場はAKB48とその派生グループが社会現象化していることなどから、2008年度以降拡大に転じている。ただし、多くの消費者が活性化させているというよりも、同一商品を大量に購入、コンサートやイベントの常連となるといった、熱烈なコアファンが市場を支えているとみられるという。

 矢野経済研究所は今後のオタク市場について、自称・他称問わず「オタク」層が増加していること、「オタク」でない層もユーザーとして多数参入していることから、今後も規模は拡大すると予想している。ただし国内市場は成熟しつつあるとして、事業者にとって海外ユーザーも含めたマーケティングが不可欠になるとみている。

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