枠外へ鼻血がブー! “はみ出す顔文字”の正体と顔文字アプリ100万ヒットのわけ(3/3 ページ)
枠の外へ涙がポロポロと流れ、鼻血がぶわっと噴き出す――ネットで最近よく見かける“はみ出る顔文字”を多数収録したiPhoneアプリ「Girl's顔文字BOOK」が若い女性に人気だ。今年8月にリリースされ、100万ダウンロードを突破した。
顔文字のランキング入りにやりがいを感じる職人たち
Girl's顔文字BOOKでは、顔文字をコピーして、メール本文に張り付けたり、TwitterやFacebookに投稿したりできる。大野さんによると、メインのユーザーは女子大生。アプリのプロモーションはほとんどしてこなかったが、日本のApp Storeで上位に入ると口コミで広まり、あれよあれよと100万ダウンロードを突破した。公式Twitterアカウント@kaomojiappも1万8000人にフォローされている。
こだわりは、女子による女子のためのアプリであるという点。アイコンはキラキラしているし、アプリのベースカラーはピンクだし、いかにも女子向けという感じだ。大野さんは「目が痛いくらいピンクで! とエンジニアにお願いして作ってもらったんです」と明かす。アプリでは、大野さんが選んだ顔文字が上の方に並ぶ。「かわいい!」と思う自分の直感を信じ、ウケそうなものを目立つ場所に出している。
多少想定外だったのは、海外でもアプリがウケたこと。海外ユーザーが3割を占め、特にアジアで人気となっている。中国、香港、台湾、タイ、シンガポールのApp Storeでは、無料アプリの総合ランキングで5位以内に入った。そのためGirl's顔文字BOOKは、中国版Twitter「Weibo」やSNS「RenRen」に投稿する機能も備えている。
姉妹アプリも公開している。1つは、絵文字と顔文字を組み合わせた新しいタイプの顔文字を収録している「Girl's絵文字顔文字」。こちらは海外ユーザーのほうが多いという状態。絵文字に対応しているWeiboで絵文字顔文字が書きこまれているのをよく見かけるそうだ。大野さんは「カラフルな方が海外でウケるのかなあ……?」と首をひねる。
続けて、10月にはiPhoneアプリ「投稿顔文字ランキング」をリリースした。メモや顔文字の編集に使えるエディタ画面を備え、プロフィールを設定すれば自分で作った顔文字を投稿できる。Girl's顔文字BOOKでは顔文字をジャンルごとに紹介しているのに対し、投稿顔文字ランキングでは人気順に表示。ユーザーのランキングも用意している。
ユーザーランキングは、投稿した顔文字がほかのユーザーのエディタにコピーされた回数やお気に入り登録された回数などを計算し、独自に順位付けしたもの。やはり人気なのは、特殊記号を使った顔文字を多数投稿しているユーザーたちのようだ。プロフィール欄を見てみると「ランキング上位感謝。がんばるじぇい。応援してね」などと書いているユーザーもおり、顔文字職人として支持されることにやりがいを感じている様子が伺える。
「自作顔文字つぶやいています」と自身のTwitterアカウントをプロフィールに載せているケースも。1人で100個以上投稿しているツワモノもいる。人気が出た顔文字はGirl's顔文字BOOKに収録される仕組みだが、直接@kaomojiappに対し「自分が作った顔文字も入れてほしい」と話しかけてくるユーザーもいるという。
「顔文字でどんどん競って、自分をアピールして欲しい」と話す大野さん。今後は、新しく使い始めたユーザーもランキング上位を目指しやすいシステムに変えていくなど、ユーザーのモチベーションを上げる工夫を取り入れていく計画だ。文字の組み合わせで無限に広がる顔文字の世界。iPhoneアプリという新しいフィールドで、あなたも職人を目指してみる……?
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