「schoo」は知的娯楽に飢えた社会人を救うか!? Webに生まれた学校の新しいカタチ:春――入学の季節ですね(2/2 ページ)
「schoo」はWeb上の学校。答えのない1つのテーマで授業を開き、ライブ配信している。生まれたきっかけは「日本の社会人が皆学生だったら面白いのに」という思いつきだ。
ハーバード白熱教室にヒントを得て……
森さんは大学卒業後、リクルートへ入社し、不動産・住宅サイト「SUUMO」の広告ディレクションやプロモーションを担当していた。教育関連のサービスに関わった経験は特になく、schooは「朝起きたら思いついちゃった」そうだ。
実はその前日、NHKの「ハーバード白熱教室」を見ていた。見終わって、良いことに時間を使ったという後味の良さを感じた森さん。「新しい娯楽だなと思った」。そして考えた。「知的娯楽の形ってまだまだ足りていないんじゃないか。もし社会人がみんな学生だったら面白いのに」と。
思いつきを周囲に共有したところ反応は良く、起業経験のある上司から「じゃあ起業してみたら」とアドバイスを受けた。サービスの原型は全くない状態だったが、森さんはその日のうちに起業を決意。ここから約半年間はリクルートに在籍しつつ、プライベートで起業の準備を進めた。
まずは仲間を集めるところから。知人にプログラマやデザイナーとして協力してもらい、アイデアをブラッシュアップ。「Web上に学校を作ろう」をテーマに、現在のschooが出来上がっていった。授業をライブ配信することにしたのは「学校を構成する要素は授業だろう」と思ったから。「そこにロジックはありません(笑)」。
「株式会社スクー」を昨年10月に設立し、森さんは社長に就任。もう1人の社員とインターンなど、十数人で切り盛りしている。schooの授業の企画や講師の手配、本番の撮影と配信などはすべて自前でやっており、とにかく忙しい毎日だそうだ。
schooの会員数は2月時点で1万5000人。ロケットスタート古川社長が講義した初回の授業はのべ4000人が視聴した。これまで登場した講師陣からは「こんなに反響があると思ってなかった」といった感想が聞かれたといい、「地方のテレビに及ぶくらいのPRメディアになりつつあると思う」と自信を見せる。
「ビジネスクリエイティブ学部」に続いては、「宇宙とは何か」といったテーマを学べる「リベラルアーツ学部」を予定している。研究に特化した「schoo-LAB(スクラボ)」もこのほどオープンし、今年中にschoo全体で15万会員まで増やす計画だ。同社の収益は現在、Webプロモーションなどの受託事業で得ていて、schooを通じたもうけはゼロ。今後の戦略はまだ明かせないが、schooを広告以外の「独自モデル」でマネタイズしていくと話す。「日本の社会人ってすごい疲れてるんじゃないですか。もっと楽しく続く知的娯楽の新しい方法を提供したい」と森さんは張り切っている。
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