ニュース

ロマンスで交通事故も減る!? 日本ロマンチスト協会が説く“愛の力”(2/2 ページ)

ロマンチスト、それは「大切な人を世界で1番幸せにできる人」。ロマンチストが集まった「日本ロマンチスト協会」は、愛を叫ぶイベントや愛の力で交通事故を減らす取り組みで、社会をハッピーにしようとしている。

advertisement
前のページへ |       

愛の力で交通事故も減った

 ロマンチスト協会は、ロマンチストが増えると「交通事故が減り、地球温暖化も防げる」として、安全運転とエコドライブを促すキャンペーン「ロマンティックドライバー」を2010年から推進している。波房さんが言うには、男性は女性にいつも「褒められたい、モテたい」と思っている。その気持ちをうまく利用し、大切な人のために安全運転を心掛けさせるべく、助手席に乗る女性視点の意見を標識にした。

 例えば、渋滞が起こりやすい道路には「渋滞中に見えるもの 男の器の大きさ」、スピードを出しやすい道には「道は間違ってもいい ゆっくり行こう」、カーブの続く峠には「酔わない運転 今あなたの愛が試される」といった具合に。経済産業省の協力を得て、雲仙市の温泉街に標識を設置した結果、事故は減ったという。「大切な人も守れて、無駄な二酸化炭素の排出も防ぐことができて一石二鳥でしょ」と波房さんは得意げだ。

宣伝用に作られた、ロマンティックドライバーのポスター
こちらも宣伝用に貼られたポスター。波房さんは「付き合いたての彼女とドライブする時、急ブレーキ急発進しないでしょ、その気持ちを思い出してほしいですね」とロマンティックドライバーについて語っていた

 協会はロマンスの日に、「真実の愛」や「誠実な誓い」の意味を持つ青色の物を大切な人に贈ろう、というアクションを提案している。それにちなんだキャンペーンが1~2年前からショッピング施設の丸井やナチュラルローソンで実施されており、また東京タワーや長崎のハウステンボスはこの日、青色にライトアップされる。これらのキャンペーンは波房さんが自ら仕掛けたものではない。協会のメンバーが「自分にできることはなんだろうと、自発的に始めた」そうだ。

advertisement

 今後はロマンチックなエピソードがあるレストランガイドを作りたい、と波房さん。「ミシュランガイドブック」のように味の善し悪しを競うのではなく、「ここの席に座ればプロポーズが成功する」と言われる伝説のテーブルがあったり、お店の人が入念な打ち合わせをし、絶妙なタイミングで花束やケーキを持ってきてくれるようなサービスが受けられるなど、心が温まる話が散りばめられたガイドブックを作ってみたいという。

 取り組みに愛あふれるロマンチスト協会だが、実際会員にはどんなロマンチックな人がいるのだろうか。波房さんによると、例えばジャガチューで最もロマンチックな叫びをした人に贈られる称号「MRS(Most Romantic Shout)」に第1回で輝いたカップルは、協会の名誉本部である「島原鉄道愛野駅」を本籍地として婚姻届を出した。第2回も夫婦で参加し、第3回に参加した時には女性のお腹に赤ちゃんがおり、妻子への愛を叫んだという。ほかにも子供の名前のアパレルブランドを作ってしまった人や、奥さんが「欲しがってたから」と、サプライズで高級車をプレゼントしてしまう人がいるそうだ。これはロマンチック。

 会長自身のロマンチスト具合も気になるところだが、「女性に振り回されてばかり」で恋愛はうまくいかないらしく、「昨年離婚してしまったんですよ」としょんぼり。本当はロマンスの日が結婚記念日だったという。自身のロマンチックな話の代わりに、ジャガチューで見たとっておきのエピソードを聞かせてくれた。

 イベントを遠くから見ていた50歳くらいの年輩カップル。周りに「叫べ叫べ」と促されて男性が壇上へ登り、今のパートナーとつい最近入籍したばかりで、2度目の結婚相手であることを明かす。もともと学生時代の同級生で、同窓会で再会したのが馴れ初めだった。「僕は今まで大変な遠回りをしてしまいました! あなたのことが学生時代からずっと好きでした! 今人生で1番幸せです!」。長年の恋心を打ち明けた男性を見ていた相手の女性は大号泣し、会場はワッと盛り上がったという。その時の様子を波房さんはしみじみ振り返り、「人生は小説よりロマンチックなんだなぁ」とつぶやいた。

2010年にはロマンチックな人や企業、ものを表彰する「Japan Romance Award」を開催。ロマンチスト部門には俳優の石田純一さんが輝いた
ロマンチスト協会の会員だけが持つことを許される名刺

※4月13日記事を修正および追加いたしました。

advertisement
前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  3. 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  4. 鮮魚コーナーで半額だった「ウチワエビ」を水槽に入れてみた結果 → 想像を超える光景に反響「見たことない!」「すげえ」
  5. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  6. “月収4桁万円の社長夫人”ママモデル、月々の住宅ローン支払額が「収入えぐ」と驚異的! “2億円豪邸”のルームツアーに驚きの声も「凄いしか言えない」
  7. 柄本佑、「光る君へ」最終回の“短期間減量”に身内も震える……驚きのビフォアフに「2日後にあった君は別人」「ふつーできねぇ」
  8. 「巨大なマジンガーZがお出迎え」 “5階建て15億円”のニコラスケイジの新居 “31歳年下の日本人妻”が世界初公開
  9. 「秋山さん本人がされています」 “光る君へ”で秋山竜次演じる実資の“書”に意外な事実 感動の大河“最終回シーン”に反響 「実資の字と……」書道家が明かす
  10. 「私は何でも編める」と気付いた女性がグレーの毛糸を編んでいくと…… 「かっけぇ」「信じられない」驚きの完成品に200万いいね【海外】