ニュース

庵野監督「どうか、助けて下さい」 特撮の歴史と現状をまとめた「日本特撮に関する調査報告書」

特撮の歴史や系譜、文化的影響、そしてCGの広がりとともに技術や貴重な資料が失われつつある現状をまとめています。

advertisement

 「どうか、助けて下さい。特撮、という技術体系が終わろうとしています」――庵野秀明監督がこんな言葉を寄せた、「日本特撮に関する調査報告書」がこのほどPDFで公開されました。同書では、特撮の歴史や系譜、文化的な影響、さらにCGの広まりとともに活躍の場を失いつつある現状など、特撮にまつわるさまざまな情報をまとめています。

調査報告書の目次

 同書は、2012年夏に開催された「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」でそれぞれ“館長”“副館長”を務めた庵野監督と樋口真嗣監督が全体を監修。文化庁が進めるメディア芸術振興策「メディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業」の一環として調査は行われました。

 特撮については残されている公式資料が少ないこともあり、「100パーセントの裏付けを取ることは困難であり、今回のリポートの記述の中にも正しくない情報が含まれる可能性があります」。執筆者には1965年創設のSFX・VFX会社である特撮研究所の尾上克郎監督や三池敏夫監督、メディアコンテンツやサブカルチャーに造詣の深い境真良氏(国際大学グローバルコミュニケーションセンター 客員研究員)、アニメ特撮研究家の氷川竜介氏が名を連ねており、特撮ファンならずとも一読の価値がある150ページ弱のリポートとなっています。

advertisement

 以下、報告書の冒頭に庵野監督が寄せているメッセージの全文を紹介します。

どうか、助けて下さい。

特撮、という技術体系が終わろうとしています。

日本が世界に誇るコンテンツ産業が失せようとしています。

それは世間の流れというものなので、仕方ないとも感じます。

だがしかし、その技術と魂を制作現場で続ける為に抗い、その技術と文化遺産を後世に残す為に保存したいと切に想います。

ぼくらがもらった夢を次世代にも伝え、残したいと切に考えます。

それは、個人では、極めて困難な目標であり事業です。

国でも自治体でも法人でも企業でもいいんです。どうか、僕らに創造と技術を与えてくれた特撮を、どうか助けて下さい。お願いします。

特にミニチュア等の保存に関しては可能な限り速やかに助けて下さい。

よろしくお願いします。

関連キーワード

戦隊・特撮 | 庵野秀明

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. ミュージカル『ディズニー くまのプーさん』、舞台が見えづらいとの指摘に謝罪 「視認性の改善を講じる」
  2. 【今日の計算】「500×99」を計算せよ
  3. 業務スーパーの“高コスパ”人気冷凍商品に「基準値超え添加物」 約1万5000個販売……自主回収を実施
  4. 「葬送のフリーレン」の勇者一行、ネモフィラ畑に現る 名場面にちなんだコスプレが「これを花畑を出す魔法か」と23万いいね
  5. “スケスケ成人式コーデ”が物議のモデル、「3度見される服」を披露 「コレは見ちゃうわ」「洗っても大丈夫なのか」の声
  6. 秋元康、AKB48卒業の柏木由紀に送った手紙が物議 “冒頭の一文”に「昭和丸出し」「嫌すぎる」
  7. 1歳娘、ちょっと目を離したら衝撃の光景が……! リアル過ぎるワンオペ現場が190万再生「わかりみすごすぎです」
  8. 天井裏から変な音がする→スマホを突っ込んで撮影したら…… 映った“とんでもねぇ”モノに「恐ろしい」「何これ」と騒然の196万表示!
  9. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  10. 息子「あしたから下敷きいるって」母「ええやつあるで(ドヤ」 母の愛がつまった手作り下敷きに「なにこれめっちゃほしい!」と注目集まる