あまちゃんテーマ曲を選挙カーで流して良いの? JASRACに聞いてみた:作曲家のブログが話題
「流行の音楽を利用するような選挙活動はやめてほしい」と作曲家がブログで訴え話題に。そもそも選挙カーでの音楽利用ってどんな手続きが必要なんでしょうか。
人気急上昇中のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」。そのテーマ曲を作曲した音楽家・大友良英さんのブログエントリが話題になっていました。なんでも、大友さんに無断で同曲を選挙カーから流しているケースがあるんだとか。「流行の音楽を利用するような選挙活動はやめてほしい」「私は一切関係ありません」と大友さんは訴えています。
ブログによると、選挙カーで利用されていることを知った大友さんは、個人的にメールを出し、政治の広報に使うのをやめてもらったのですが、その後も「複数の政党?複数の候補者?」に使われていることが発覚。すべてのケースに個人で対応することは不可能なため、こうしてブログで表明することになったようです。
「どれだけの思いで私たちがつくったか、毎朝みながドラマを楽しみにしているという想像力も働かずに流行にのって集票に利用していいと思う程度の想像力の人たちが政治に関わるってどうなんだろう」――大友さんは複雑な心境を吐露。多くのあまちゃんファンやネットユーザーから同意する声が寄せられていました。
そもそも選挙カーでの音楽利用ってどんな手続きが必要なんでしょうか。日本著作権協会(JASRAC)に聞いたところ、まずクリアしなければいけないのは「著作者人格権」。「著作者の名誉・声望を害するような著作物の利用」は著作者人格権を侵害する行為とみなされるため、事前の許諾が必要。大友さんが「政治的なものに使わないで!」と申し出れば、選挙カーでの利用はNGとなるようです。
著作者人格権をクリアできた場合も注意したいポイントがいくつかあります。選挙カーから音楽を流す行為は「営利目的」には当たらないのでCD音源をそのまま流すのは問題ありませんが、流すための「録音物」をCDなどから「複製」していた場合は「私的利用」の範囲を超えていると判断されるので、JASRACと「著作隣接権」を持つレコード会社の許諾が必要となるとのことでした。
ということで政治家の皆さん……気をつけてね!
※誤解を招く表現があったので最後の段落を修正しました(14日午後7時)
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