慈恵病院、「明日、ママがいない」への見解をサイトで公開
全国児童養護施設協議会も日本テレビに改めて番組改善を要請。
熊本の慈恵病院は1月29日、公式サイトに「現在放送中の『明日、ママがいない』放送に当たりまして」と題する見解を公開した。
同病院は、日本テレビ系ドラマ「明日、ママがいない」に対して、その内容が「児童養護施設で生活する敏感な子どもたちに与える影響が大きいと予想される」と放送以前から問題視。昨年12月から内容変更を申し入れており、第1回が放送されるにあたり放送中止を求めていた。
サイトでは「当院のお願いが一種の論争を引き起こす形となったにも関わらず、皆様に十分な情報が伝わりにくくなっていることに対し、深くお詫び申し上げます」と謝罪するとともに、9項目について見解を述べている。
項目では「第1回放送分の問題点」に言及。「フィクションだから、いいのでは?」「売名行為では?」といった疑問や意見について答えている。
見解の公開については、誤解を招く状況が生じており、改めて理解を求めるためであり、「一般家庭のお子さんだけではなく、児童養護施設へ入所する前に家庭で虐待を受けたお子さんの、傷ついた心のケア」の問題であり、「虐待を受けた中にはトラウマ(心的外傷)の影響から脱却できないケースがあります。友達が冗談で投げかけた『ポスト』『ロッカー』『ドンキ』などの言葉も、虐待を受けた子どもの心には刃物のように突き刺さり、フラッシュバックの引き金になりかねません」と説明している。
また、全国児童養護施設協議会からも「施設の子どもたちを、これ以上傷つけないでください」とする改善要求が公開されている。それによると、第2回の放送においても「子どもを動物扱いしたり、恐怖心で子どもを支配する表現が多くみられる」と改善が見られなかったため、実態を調査するために都道府県の本会役員に対しアンケートを実施。その結果、「子どもが情緒不安定となり自傷行為に及ぶ事例や、施設の子どもがクラスメイトに心ない言葉をかけられる事例等が報告」されたことを明らかにしている。
その上で、日本テレビに対して改めて「施設の子どもたちをこれ以上傷つけることのないよう、子どもの人権に配慮した番組内容とするように要請」するとともに文書による回答を求めた。
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