雑誌連載終了→作者が独自にWeb連載の漫画「あにめたまえ!」 単行本の一般予約開始:同人流通を使ったインディーズ出版!?
商業誌連載→Web連載→インディーズ流通という特異な道のり。
雑誌連載終了した漫画を、作者が自身のWebサイトでの無料連載に切り替えたことで話題になった「あにめたまえ! 天声の巫女」(Rebisさん)の単行本第1巻・特装版一般予約が始まりました。
単行本は1000円。ミニノベライズ・特典同人誌・資料小冊子がついた限定版セットは2400円となっています。
同作は、美少女声優ユニットが「天声の巫女」として妖怪娘と戦うという萌え&百合要素たっぷりの作品。漫画誌「月刊コンプエース」で連載していましたが、担当編集者との方針不一致により雑誌での連載を2013年4月号で終了し、Rebisさんが独自にWebで連載してきました。その後は単行本化のためクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で資金支援を募り、目標を見事クリアしています。
それに加えて、このたびの単行本第1巻の流通方法も特殊です。頒布場所が「コミックマーケット86」3日目のほか、同人誌を取り扱う漫画専門書店のメロンブックスやとらのあな、そしてAmazonのみで購入することができる漫画……これはもしかして同人誌なのでは……?
このような流通手法を選択した「あにめたまえ!」をRebisさんは自ら「同人流通を使ったインディーズ出版です!」と明言しています。Rebisさんはブログで、「同人流通」を選んだ理由について、個人で法人を立てISBN(国際標準図書番号)を取り、取次と取引できるよう努力していたら金銭的にも仕事的にもつぶれてしまうだろうということ、「Nitroplus Books」や「TYPE-MOON BOOKS」のようなインディーズ流通からスタートし、出版社のインフラと提携して、メジャー流通に移行する出版の形態をとるジャンルが登場したことを挙げています。
さらにRebisさんは「二次創作同人誌をめぐる状況が変わりゆく中、同人流通を使ったオリジナルタイトルが育っていくことで、オリジナル同人誌の未来も拓けていくかも……なんてことも思う次第です」という希望も抱いているようです。
商業誌連載からクラウドファンディング、そしてインディーズ流通という特異な道のりを経た「あにめたまえ!」。その挑戦と行方から今後も目が離せません。
関連記事
雑誌連載終了→作者が独自にWeb連載 そんな漫画「あにめたまえ!」の単行本化資金を募集中だぞ
Web連載に描き下ろしを加え、電子と紙の両方を販売する予定とのこと。契約書なしの「慣例ゆえに出来た」――雑誌連載作をWebに引き上げた漫画家Rebisさん語る
「月刊コンプエース」で連載終了が決まった作品「あにめたまえ! 天声の巫女」を、自身のWebサイトで連載することにした漫画家のRebisさん。紙で連載していた作品を素早くWebで公開できた背景などを、自身のブログで語っています。掲載2日前に連載白紙になった漫画「あいこのまーちゃん」、漫画 on Webで第1話公開
有害図書指定の可能性などが考慮されて連載2日前に掲載が白紙になった作品が、Webサイトに公開されました。連載が開始2日前に中止に…… マンガ家がブログで報告 「進撃の巨人」作者も「信じられない」とコメント ※追記
マンガ家・やまもとありささんが、決まっていた自身の初連載が開始2日前に中止になったとブログで公表。原因には「有害図書指定の可能性」が。無料Webマンガサイト「COMICリュエル」、実業之日本社が立ち上げ
大通りにはない、リュエル(路地)ならではの魅力ある作品の提供を目指す。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.