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八丈島末吉盆踊りの「高速マイムマイム」がネットで話題に 確かに高速で楽しそう

みんなステップせず小走りでぐるぐる回って、もはやサークルモッシュ状態。

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 東京都八丈島の「末吉地区盆踊り」で踊られる“高速マイムマイム”が楽しそうだとネットで話題になっている。8月26日にフジテレビの番組「スーパーニュース」が取り上げたのがきっかけだ。

2014年の高速マイムマイムの様子。みんな速く回りすぎて写真が捉え切れない(写真提供:八丈島観光協会ブログ

 「末吉地区盆踊り」は毎年8月14・15日に八丈島の旧末吉小学校で開かれ、例年地元客を中心に700~800人が訪れる。流れる曲目は、八丈島民謡「しょめ節」といった伝統的なものもはさみつつ、バンドの生演奏による「コロブチカ」「オクラホマ・ミキサー」といったフォークダンス曲が中心。中でも高速マイムマイムは一番多くの人が踊り、1日3回も演奏される人気曲だ。

2009年時の高速マイムマイム動画。ステップ踏んでません、走ってます(動画撮影:八丈島在住ミュージシャン・ホッピー神山さん)

 YouTubeに2009年の高速マイムマイムの様子が投稿されている。バンドがやや速めのマイムマイムをロック風に演奏し、どんどんテンポを上げていく。参加者たちが輪を作って回るのは普通のマイムマイムと一緒だが、数歩ずつ進むのではなくぐるぐる小走り。途中の「マーイムマーイムマーイムマーイム♪」の掛け声のときも、両手を上げたり跳びはねたりしてハイテンション。楽しそう!!!

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小走り状態の参加客たち
ビートを速めていくバンド隊。マイムマイムは速さ110~120BPMが一般的。動画から計算したところ、みなさん約150BPMで演奏し始め、最終的におよそ1.5倍の約190BPMまで速くなっていた。高速!

 今年は13日に八丈島でワンマンライブを行った音楽アーティスト・大森靖子さんが14日にステージジャックしたらしく、マイムマイムではそのファンたちも地元客と一緒になって踊ったという。

 「マイムマイムをこのように高速化したのは12、3年前からです」と、バンドリーダーの沖山芳樹さん。昭和のころにはすでにあった末吉盆踊りで、1994年からフォークダンスの生演奏を始めた。曲調がロック風なので年々参加客たちが型を気にせず自由に踊るようになり、マイムマイムも平常スピードで演奏されていたが、変化が訪れた。

マイムマイムを演奏する沖山芳樹さん

 「会場でドラムと私とお客さんとの掛け合いで、どれだけ速く踊れるかに挑戦し始めたんです。評判となって今ではこれしか踊らない人もいるほど。型も崩れてしまってただ自由に走り回るだけの人もいるので、輪に入りやすいのも人気の1つだと思います」

「ハーイハーイハーイハーイ」と掛け声しながら飛び跳ねるお客さんたち

 またこの高速化は、八丈島の伝統芸能「八丈太鼓」の影響もあるのではと沖山さんは推測する。「八丈太鼓はクライマックスに両面の太鼓を叩き込んで早回ししていく特徴があるんです。バンドに八丈太鼓を取り入れた時期もあったし、ドラマー・阿久津文彦さんは八丈太鼓師でもある。マイムマイムでビートを上げていった傾向と結びつく気がします」

マイムマイムで一時期叩かれた八丈太鼓(2009年時)

 八丈島では末吉以外の地区でも盆踊りがあるのだが、全体的に八丈太鼓のようにテンポを速くしていく傾向があるそうだ。八丈島における高速マイムマイムはただ楽しいだけでなく、島の伝統芸能と融合した文化的にも価値ある踊りなのかもしれない。

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 「スーパーニュース」で放映された高速マイムマイムに対し、Twitterでは「楽しそう!やってみたい!」「いいねえイノベーションだねえw 地元経済に影響するもんな」といった肯定意見や、「もうダンスじゃなくて競技って感じw」「モッシュサークルにしか見えない」など型破りさに驚く声など、多くの人が興味を示していた。

 2013年はEXILEのUSAさんが「気になるダンス」として取り上げ、USAさんが講師を務めるNHK Eテレの番組「Eダンスアカデミー」も末吉地区盆踊りへ取材に来たそうだ。参加客は年々増加中で、「しょめ節」といった八丈島民謡の盆踊りに若い人たちが交じるのも恒例となっている。

2014年の高速マイムマイムの様子

黒木貴啓

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