活字鋳造を残したい 平成生まれが「活字」を産み出す「自動活字鋳造機」に心奪われた:いまだからこそ(2/2 ページ)
新宿の佐々木活字店で“鋳造見学”してきた!
活字ができた! 文字を並べる「文選」へ
1文字ずつ量産される活字、出来上がったら活字を棚からピックアップして、必要な文字通り並べる「文選」という作業が入ります。1階に下りると、収納された活字達が!
「じゃあ試しに自分の名前を拾ってみましょうか!」と佐々木さん。「憧れの活字で自分の名が!」と心躍らせる参加者一同。あれ……でも拾うとなると……?
活字は部首順に収納されていて、よく使う活字は「大出張」という取り出しやすい位置に、次によく使う活字は「小出張」と呼ばれる場所に収められています。また、あまり使用頻度の高くない活字が入った棚は足元に設置されており「泥棒」と呼ばれます(座った状態で拾う様子が泥棒に似ているため)。……と探すのにすごくコツがいる作業で、たったの5文字を拾うのにとても時間がかかりました。
「活字」でしか表現できない味わい
いま、佐々木活字店で活字を作る職人は佐々木さんただ1人。機械を動かすこと自体は電源オンで誰でもできますが、鋳型の交換、鉛の出るスピードの調節など、活字作りには昭和産まれの鋳造機達と向き合う微細な技術が求められます。
「活字鋳造は機械頼りなので、保存するっていうのは本当に難しい。でもいまは、無いものをどうしようと言う話よりも、あるものを残していこうっていう気持ちが大きいです」と語る佐々木さん。
最近では、活字や活版印刷の良さが見直され、名刺やブックカバーの受注が多くあるそうです。
一度見たらなぜか心を掴まれてしまう活字。佐々木活字店さんのWebサイトでは書体見本、導入機器の紹介が見れるほか、Facebookページから見学会の予約も受け付けています。大人だけではなく、インターネット世代のみなさんもめくるめく活字の世界に惚れぼれしてしまうこと請け合いです! ぜひ足を運んでみてください。
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