将棋界3強の一角を崩して史上初の「大学院生竜王」誕生 竜王戦で個性派若手棋士・糸谷七段が勝利
Twitterのトレンドにも「糸谷」が入るなど話題に。
将棋の第27期竜王戦七番勝負の第5局が行われ、挑戦者の糸谷哲郎七段が森内俊之竜王に勝利。通算成績を4勝1敗として初タイトルの竜王位を獲得し、同時に八段への昇段を決めました。Twitterでも「糸谷」がトレンドに入るなどして話題になっています。
糸谷八段はプロ棋士である一方、大阪大学大学院文学研究科で哲学を専攻している26歳の現役大学院生。持ち時間をほとんど使わない「超早指し」など独特の棋風の持ち主で若くからその才能を期待されていました。近年の将棋界では羽生善治四冠、森内俊之竜王、渡辺明二冠の「3強」が7つあるタイトルの全てを独占している状態が続いていましたが、若手の糸谷八段がその一角を崩し初めての「現役大学院生竜王」が誕生したことで、多くの将棋ファンから驚きの声があがっています。
今回の竜王戦では糸谷八段の異様な早指しのほか、盤上以外の個性的な振舞いも注目の的に。「歩いていたほうがいい考えが浮かぶ」という糸谷八段は、対局中にも頻繁に席を立って対局室の外を歩き回っており、その様子がニコニコ生放送で中継されると「離席流」などと呼ばれて話題になりました。一部からは「森内竜王のペースを乱す盤外戦術では?」との声も出ましたが、糸谷さんは普段の対局でも同じような行動をしているそう。最終局も161手という長い手数の将棋ながら8時間ある持ち時間のうち約半分の3時間31分を残す驚きの早指しを披露し、初めてのタイトル戦という大舞台でも萎縮せず普段通りの力を出し切って見事竜王奪取を果たしました。
将棋界の勢力図を塗り替える新星の誕生はネット上でも大きな話題に。多くの棋士や将棋ファンがTwitterなどでコメントを投稿しています。
(たろちん)
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