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三度目の正直で41歳の将棋プロ棋士が誕生 アマチュア強豪・今泉健司さんがプロ編入試験に合格

「自分の可能性にふたをしない限り、年齢は関係ない」。

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 将棋のプロ編入試験を受けていたアマチュアの今泉健司さんが、12月8日の試験第4局で石井健太郎四段に勝利。5局中3勝の合格基準を満たし、2015年4月1日付けでプロ棋士(四段)になることが決まりました。41歳でのプロ棋士合格は戦後最年長となります。

 通常、プロ棋士になるにはプロ養成機関「奨励会」に入会し、奨励会員同士の対局で好成績をあげて四段まで昇段するというのが一般的。今泉さんも中学2年生のときに奨励会に入り、最後の関門となる三段リーグで何度も昇段争いに食い込みますが、あと一歩というところで満26歳の年齢制限により無念の退会となってしまいます。

編入試験の模様はニコニコ生放送で中継されました

 プロへの道が断たれた今泉さんですが、その後はアマチュアの強豪棋士として活躍。さらに2007年に新設された三段リーグ編入試験に合格し、2年間(三段リーグ4期)限定で再びプロへの道を歩み始めます。しかし、ここでも昇段に必要な成績を残せなかった今泉さんは、規定により二度目の奨励会退会を経験することになってしまいます。

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 二度の挫折を味わった後もアマチュア棋士として、アマの主要タイトルを全て獲得する「大三冠」を達成するなど実力を示し続けた今泉さん。アマチュアの成績優秀者としてプロ棋士参加のトーナメントに出場すると、プロ棋士を相手に連勝するなどして活躍し、41歳にしてついにプロ棋士と直接対局してプロ入りを決める「プロ編入試験」の受験資格を獲得します。

第4局の相手となった石井四段は現在プロ入り初のC級2組順位戦で5勝1敗と昇級争いに絡む活躍を見せている新鋭

 試験官となった若手の四段棋士らを相手に、今泉さんは気迫のこもった将棋を披露。独創的な序盤から粘り強い指し回しで得意の終盤力を発揮し、見事に戦後最年長でのプロ入りを決めました。

投了の瞬間はニコ生でも歓声が

 プロ入り後の今泉さんは一定の成績をあげられなければ10年で強制引退となる「フリークラス」からスタート。40代といえば一般的に記憶力や集中力など棋士としての能力が衰えてくると言われている年代で、今泉さんにとってはこれからが本当の戦いとなりそうです。今泉さんは「自分の可能性にふたをしない限り、年齢は関係ない。僕の将棋を見て『おもしろかった』と言ってくれる人が多かったので、これからもそういう将棋を見せたいと思います」と意気込みを語っています。

たろちん

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