ユキヒョウ脱走! その時、職員は―― 緊迫の「猛獣脱走訓練」に密着してきた
中の人は2年目の爽やかイケメンでした。
2月10日、多摩動物公園で、災害などの緊急事態に備えた年に1度の「動物脱出対策訓練」が警察署や消防署の協力のもと行われました。注目は、動物の着ぐるみと100人超のスタッフによる本格的な捕獲劇。着ぐるみなのに、緊迫した訓練になるの? そんな疑問を持ちつつ、訓練の現場に行ってきました。
今回は、ユキヒョウの脱出事故を想定した、来園者の避難誘導および捕獲訓練でした。訓練エリアは、営業中の園内の奥から正門までの長い距離を使っていました。正門での捕獲現場で待っている間も、スタッフの無線からは「スタッフが負傷。意識不明、心肺停止。AEDでの処置中」といった緊迫した内容が聞こえてきます。
しばらく待っていると、いよいよユキヒョウが登場。
見た目はかわいいのですが、園内スタッフの構えた網に向かった威嚇行動は迫真の演技です。また、園内スタッフも「わー!」「やー!」と大きな声を出し、網を支えた棒や靴で大きな音を出して威嚇します。直接触れることなく、威嚇することで脱出した動物の行動を制限していくようです。
周囲を囲まれていくユキヒョウ。シマウマ柄の病院班の車が接近して、麻酔銃を構えます。万事休す。ゆっくりと距離を縮めて一撃。ユキヒョウはぐったりと倒れこみました。追い詰められるユキヒョウに対して、来園者の子どもからは「がんばれー」という声援や、「あのぬいぐるみみたいなのがユキヒョウ? 絶対ニセモノだよ。これ訓練なの?」といった声が。
訓練後、ユキヒョウの中の人は頭を取り、スタッフと共に集合。各関係機関からの総評を熱心に聞いていました。さらに、囲み取材では、園長以上にメディアに質問攻めにあう事態に。
主な質問内容は、着ぐるみの見た目がこわくない件について。これに対して、ユキヒョウ役を務めたスタッフは「大事なのはあくまで職員の動きです」と強調。各関係機関の担当者も、スタッフ間の連携を評価し、今回の訓練に手応えを感じているようでした。
ちなみに、多摩動物公園では2月5日から「ネコ展 TAMA ZOOのネコたち」を開催中。今回捕獲されたユキヒョウほか、ネコ科動物たちの魅力が詰まったイベントになっているそうです。
(林健太)
関連記事
ハチ公、待ち続けた飼い主とついに再会 東大に上野博士との再会の像ができる
飼い主の帰りを待ち続けたハチ公が、没後80年目にしてようやく飼い主と再会。国内外の化石が集結 国立科学博物館で特別展「生命大躍進」
日本初公開の化石もやってくる!羽生名人が王将に「乗る」ってなんだよ! 本物の車で将棋を指す「リアル車将棋」がシュールすぎた
駒たちが本当に躍動するシュールな将棋を皆さんに見せたよね。世界に広がったネコの歴史、ゲノムに内在化した「ウイルス化石」で探る──京大・東海大チーム
遺伝子ってすごい!佐渡島の「佐渡牛乳」のパックが“トキ”めくデザイン 飲み終わったあとトキに変形するものも
これを給食で飲んでいる佐渡島の子どもたち、うらやましい。「ラピュタラビリンス」に「猫モノレール」―― ジブリファンが考えた「東京ジブリーランド」のアトラクションマップが夢の国すぎてどうしたらいいの……!
ジブリ作品のアトラクションがいっぱいだあああ!!闘会議2015:非電源のアナログゲームエリアで「ワンナイト人狼」を体験してみた
この村に人を食べる人狼がまぎれています。あなたは食べられる? ミニブタが店長を務めるブタ肉料理の居酒屋「TABOO」がネットで話題に
石川県金沢市の「ミニブタ店長のTABOO」。ミニブタがいるお店でブタ肉料理だなんて、なぜそんなコンセプトに……?「猫カフェ」にミーアキャット参上! 栃木県・小山市にオープンするカフェがうらやましすぎる
かわいい……。奇跡的に蘇ったニャー 死んだと思った猫が自力でお墓から戻ってきた
アンビリーバボー!
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.