すき家の労働環境、「改善してきたが十分ではない」と第三者委
すき家の労働環境は改善してきたが、十分ではないと「職場環境改善促進委員会」が報告している。
ゼンショーホールディングスは、昨年起きた労働問題を受けて設置した「職場環境改善促進委員会」による報告書を公表した。
すき家では昨年、大量の店舗閉鎖が起き、これを受けて第三者委員会が労働問題に関する調査を行った。調査によって過酷な労働環境が明らかになったことから、11月に学識者や弁護士などから成る職場環境改善促進委員会を設けた。
報告書によれば、すき家本部では労働時間の管理ができる仕組みを整え、時間管理委員会を設置するなどの施策を行った。これにより月間時間外労働100時間以上の社員数が、2014年3月時の231人(非管理職中55.3%)から、同年10月には0人になったという。クルー(アルバイト)でも月間時間外労働100時間以上のスタッフは減少したとしている。社員の月間平均残業時間が2014年3月の109時間から2015年2月には31時間に減少したことも報告している。
このほか同社では、大量の店舗閉鎖のきっかけとなった「牛すき鍋定食」の再導入にあたってオペレーションを改善したり、全社的な啓発などの取り組みを行っている。
同委員会は長時間労働の実態が改善してきたと評価しつつも、残業が60時間以上の従業員がまだ9%いること、改善の取組みに時間がかかっていることから、「労働環境が十分改善しているとは言い難い」と引き続き努力を求めている。
またゼンショーは、一部報道で「すき家がワンオペを継続する」と伝えられていることについて、2014年10月1日から深夜時間帯の複数勤務体制を確立しており、複数勤務を実施できない店舗では深夜の営業を休止しているとコメントしている。
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