インタビュー

現役プレイヤーに聞く、“エアガイツ騒動”の真実ゲームのバグ技問題(1/3 ページ)

突如ネットで話題となった格闘ゲーム「エアガイツ」。その騒動が意味するものとは。現役プレイヤーたちに話を聞いた。

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 12月10日、17年前の格闘ゲーム「エアガイツ」が突如ネットで話題となった。Yahoo!リアルタイム検索によると、ここ1週間での「エアガイツ」に関するツイート数は1000件を超える。Yahoo!トップにも大塚ギチ氏による「終焉? 伝道師らによる『エアガイツ』幕引き騒動について」と題する記事が掲載されるなど、多くの人の目に触れる事態となった。

 一体何が起こったのか? 多くの人は、昔のゲームがなぜこれほどの騒ぎになっているのか、理由が分からなかっただろう。騒動の経緯はねとらぼでもまとめられているが、今回改めて現役プレイヤーたちに取材をしたところ、ネット上だけでは分からない事の全容と詳しい経緯が明らかになってきた。17年越しに第2次ブームを迎えた遅咲きのゲームに魅入られたプレイヤーたちは、何を思い、何を語ったのか。

「対戦会終了」宣言とその理由

 事の発端は、エアガイツを世に広めるべく精力的に活動する「あ~る・滝」さんが定期開催していた「無料対戦会の終了」を宣言したことだ。滝さんは今年1月、17年ぶりに実現された「エアガイツ世界大会」の立役者でもある。今も新規プレイヤー開拓のために自腹を切って毎月フリープレイの対戦会を実施している。地道に活動を続けてきた滝さんは、なぜ突然終了を宣言したのか。

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 滝さん本人に尋ねたところ、「誰でも地道にやり続ければ頂点に立てるチャンスがあるといううたい文句でエアガイツを勧めてきましたが、この言葉を信じてプレイしてくれた人を裏切る結果になってしまったからです」と説明してくれた。


世界大会で対戦する「あ~る・滝」さん

 滝さんが言及しているのは、とあるゲーム大会で使われたエアガイツのバグ技について。12月6日に「高田馬場ゲーセン ミカド」で開催されたその大会は、複数タイトルでの結果を競うトライアスロンのような内容で、先述のエアガイツ世界大会で優勝した「東のエアガイツ仮面」も出場していた。エアガイツに精通するプレイヤーは他にはおらず、エアガイツの試合に限っては彼の勝利はほぼ約束された状態。そんな中でも手を一切抜かず徹底的に勝ちにいく姿勢を貫くエアガイツ仮面が初心者なら打つ手なしの強力なバグ技を行使。一方的な試合展開で対戦相手を瞬殺した(ティファvs佐助戦。エアガイツ仮面がティファを使用)。


バグ技で飛び道具の威力をためるティファ(左)。(YouTubeのミカド公式動画から)

超低空で飛び道具を放つティファが圧勝した
バグ技は32分30秒頃から

 これに対し滝さんは、「エアガイツ独自のシステムを覚えなくても勝てる(勝ちやすくなる)ようになってしまった。やり始めの初心者がこのバグ技をやられて倒されたら……いい気分にはなりませんよね」とコメント。滝さんのツイートや対戦動画を見た人たちがこの出来事を次々と話題にしていき、「17年ぶりに発覚したバグでゲームバランスが崩壊。エアガイツを布教したエアガイツ仮面が自らエアガイツを終わらせた」など、事実とは異なるうわさや臆測がまとめサイトやTwitterで拡散。エアガイツ仮面は他のゲーム大会でも優勝経験のある有名プレイヤーだったこともあり、ドラマチックに脚色された情報がネット上で入り乱れ、現役プレイヤーたちも「なぜここまでの騒ぎになったのか?」と困惑を隠せない様子だった。

 しかし、対戦会終了を宣言したのはあくまで布教者としての滝さん。プレイヤーとしての立場から滝さんは「いちプレイヤーとしては、まだまだ現役で頑張っていきたいと思っております。 もちろん対策も練りますよ!」と意欲的だ。

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