「そうだ難民しよう!」著者のサイン会、中止に
出版社「理由はみなさまご想像のとおりです」。
イラストや内容が差別的だと批判が寄せられていたはすみとしこさんの作品集「『そうだ難民しよう!』はすみとしこの世界」のサイン会が中止されることが分かりました。イベント会場となる書店「書泉グランデ」では1月27日のうちに公式サイトで告知していた当該ページを削除しています。
イベントは作品集購入者先着40人限定でのトーク&サイン会として2月11日に書店のイベントスペースで開催されるとして1月26日に告知していました。しかし、作品集への批判とともにイベントについての抗議が主催者側に寄せられ、当日の混乱も予想されるとして翌日には中止が決定。出版元の青林堂も自社のツイッターアカウント(@seirindo_book)で「理由はみなさまご想像のとおりです」と中止を伝えています。
以前問題となったのはFacebookに投稿された、ある1枚のイラスト。「安全に暮らしたい。清潔な暮らしを送りたい。美味しいものが食べたい。自由に遊びに行きたい。おしゃれがしたい。贅沢がしたい。何の苦労もなく生きたいように生きていきたい。他人の金で。そうだ難民しよう!」との文章とともに幼い中東系の女の子が描かれていました。シリア難民の一部に「不法移民」の疑いがあるとし、「他人の金」で安定した暮らしをしようとしているのではないかと指摘するものでした(関連記事)。
イラストは差別表現であるとして批判が殺到。また、海外で撮影された難民の写真をトレースしたものではないかとの疑いが浮上し、写真の撮影者もコメントを発表する事態になりました。イラストはその後書き直されて改めて公開、作品集にも収録されています。
関連記事
「深い悲しみと憤りを覚えました」 NGO「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」が「そうだ難民しよう」イラストに言及
元写真を撮影したのは「セーブ・ザ・チルドレン」のメンバーだったとのこと。「そうだ難民しよう!」イラストの作者、当該画像を削除 元写真の撮影者に配慮
イラストは全ての難民を否定するものではなく、偽装難民を揶揄(やゆ)したものだったとのこと。「そうだ難民しよう!」 シリア難民を「不法移民」扱いするイラストが物議、元写真の撮影者からは怒りの声
Facebookに画像の削除を求める署名活動も行われています。うどんかるたの「強いコシ 色白太目 まるで妻」の句に「不適切」のクレームで販売延期 ネットでは「過剰反応では」と疑問の声
ユーモアの範囲内ではないかとの指摘が多数。原宿・渋谷でゾンビのフラッシュモブを――ハロウィン企画に批判続出 「一般人巻き込むな」などの声も
開催中止になったとの情報も。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.