「液体金属が滴る置物」をニコニコ技術部が制作 特許取れるレベル
開発期間は4年。ただ滴り落ちるだけが難しかったのです。
油に満たされた水槽の中を水滴が上っていくような置物を見たことがあるでしょうか。それを水ではなく水のような金属、液体金属で実践した猛者が現れました。
こちらは液体金属が滴る置物を作った動画の改良版。液体金属が膜を張ったり、満たされた液体と反応して劣化する問題を解消し、原理的には何年でも使用できるようになりました。動画では、置物が実際に動く様子と完成するまでの試行錯誤を確認できます。
液体金属というと、「ターミネーター2」のT-1000や、アナログな温度計に用いられる水銀を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。しかし水銀を置物に使用するとなると、いざ漏れてしまった時に危険です。このことから投稿者は、ほぼ無害かつ常温で液体になるガリウム・インジウム・スズの合金を作り、その合金が筒の表面に張り付いたままになったり、金属の膜を作るのを防ぐための液体を開発しました。
そしてこの置物、上から下へとらせんを描いて液体金属が落ちていくのですが、全て流れ落ちてもひっくり返せばまた流れ落ち始めます。それもただ同じルートで流れるのではなく、「ししおどし」のように一度液体金属を溜めてから流れるようになっているため、ひっくり返すたびに置物の違う顔が見られるようです。
そして一番の見どころは、青色LEDの付いた台座にこの置物を乗せた様子。消灯した状態で見ると、らせんに沿って流れていく液体金属が光を反射してロマンチックです。まるでSF映画に出てくる未知のエネルギーのようにも見えて、商品化されたら複数個買って並べてみたい……。4年という試行錯誤の期間が、幻想的な置物を生み出しました。
(今藤祐馬)
関連記事
87年間継続中 世界最長の実験「ピッチドロップ」、そろそろ9滴目が落ちそう
実は落下したその瞬間を目撃した人はいない。【悲報】世界最長の「ピッチドロップ」実験、9滴目が落ちる前にちぎれる
そして新時代へ。液体金属で“断線知らず”のヘッドフォンケーブル実現?
これでケーブルの断線から解放される……?「1秒砂時計」を使った無駄に洗練された無駄にスチームパンクな無駄のないラーメンタイマーが心と食欲を刺激する
伸び伸びとした発想(麺的な意味で)。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.