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「千羽鶴の処分費に毎年1億円」は事実誤認 宝島社「ボランティアという病」重版分からは修正へ

「千羽鶴の処分に本当に1億円もかかるのか」など一部で指摘されていました。※追記

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 8月5日発売の書籍「ボランティアという病」(宝島社新書/丸山千夏)に事実誤認があったとして、宝島社は重版分より、該当部分の記述を訂正することを決定しました。

 誤りが指摘されていたのは、同書第4章にある「広島市では毎年、平和記念公園に届けられる10トン分の千羽鶴の処分費として1億円の予算を計上している」(143ページ1行目)という部分。これについて、ブログ「顧歩日記」が「広島市は千羽鶴の処分に年間1億円をかけて『いない』」との反論エントリを掲載し、インターネット上で大きな話題となっていました。同ブログによると、広島市に直接問い合わせたところ、「折り鶴の処分費として1億円の予算を計上しているという事実はありません」との回答が得られたそうです。

 宝島社に問い合わせたところ、該当部分については「今回は弊社で確認の不備があったことから、事実誤認がございました」と、誤りであったことを認めた形に。今後は同社Webサイト上にお詫びを掲載するほか、重版分では該当部分を訂正するとのことでした。併せて作者のTwitterアカウント(@cn2mrym)でも、事実誤認についてのお詫びと訂正が掲載されています。

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 千羽鶴の処分費をめぐっては、今年の4月~5月ごろにかけインターネット上で話題に。広島市のNPO「おりづる広島」のサイトにあった「(折り鶴が)年4回・1億円をかけて燃やされてしまう」との記述をニュースサイトなどが大きく取り上げたのがきっかけでしたが、この時も「どうしたら1億円もかかるのか」など疑問の声が多くあがっていました。

NPO「おりづる広島」のサイト。4月~5月ごろに話題に

追記

 著者の丸山千夏氏に問い合わせたところ、1億円という数字はもともと、上記「おりづる広島」の記述をもとに書かれたネットニュースで見かけたものだったそう。草稿作成時に、後で検証するつもりで加えておいたところ、他の作業に追われて未検証のまま入稿してしまったのが今回の誤記載の原因とのことでした。

 また事実誤認の指摘を受けてから、丸山市は自身で「おりづる広島」側に1億円の根拠を取材。それによると「1億円」はやはり千羽鶴の処分費ではなく、長期保存のための脱酸処理を民間に委託した場合の試算額だった可能性が高いとのことでした。詳しい検証結果については丸山氏のブログにまとめられています。

追記2

 事実誤認を指摘していたブログ「顧歩日記」へのリンクを追加し、本文を一部修正しました。「顧歩日記」の小鳥遊さんに問い合わせたところ、「折り鶴の処分に1億円」という金額については、もともとインターネット上で話題になっていたころから疑問に感じていたとのこと。今回「折り鶴の処分に1億円」のエピソードが書籍に掲載されたことで、「1億円」がネットの中だけの話ではなくなったことに衝撃を受け、広島市に問い合わせようと思い立ったそうです。「誤った情報で折り鶴に関する議論がなされることが、ある程度避けられたなら有難いと思います」(小鳥遊さん)

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宝島社 | ボランティア | 広島

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