「チケット高額転売」へ反対する大規模な共同声明 音楽業界4団体、アーティスト116組、イベント24団体が発表
賛同アーティストには嵐、Perfume、サザンなど著名なグループの名がずらり。
日本音楽制作者連盟、日本音楽事業者教会、コンサートプロモーターズ協会、コンピュータ・チケッティング協議会の4団体は8月23日、国内アーティスト116組と国内音楽イベント24団体の賛同を得て、昨今の「チケット高額転売取引問題の防止」を求める共同声明を発表しました。
コンサートの入場者数は2006年の2454万人から2015年には4486万人へと約1.8倍増加するなど、近年日本のライブ市場は活性化しています。一方これに伴い、組織や個人主がチケットを大量購入し、転売サイトで通常の何十倍という高価格で取引して多額の利益を得るといった、チケットの転売ビジネスも成長しているとのこと。
転売ビジネスによって正規価格でチケットを購入できないほか、購入した転売チケットでライブ当日に入場出来ないという被害も発生しています。既に一部のアーティストや音楽イベントでは防止策として、顔認証システムや、ファンクラブで購入したチケットのみ転売できる公式トレードサイトなどを導入。しかしいずれもシステムの費用やファンへの拘束時間など、余計なコストが必要になります。
こうした経緯から4団体は「音楽業界としてチケット転売取引問題と向き合い、従来のチケット販売システムや座席価格の一律問題などを見直し、体制を整えていく必要がある」と発表。23日の読売新聞・朝日新聞朝刊(関東・関西・中京圏)に全15段の意見広告を出稿しました。また公式サイトも開設。高額転売への反対メッセージや賛同者の情報、SNSでハッシュタグ「#転売NO」が付いたコメントなど、随時情報を更新する予定です。
賛同アーティスト116組には、嵐やPerfume、ザザンオールスターズ、安室奈美恵、サカナクション、Hi-STANDARD、プロジェクトラブライブ!などさまざまなジャンルの名前が並んでいます。
代表者コメント
- 日本音楽制作者連盟理事長・門池三則
「すべてのアーティスト、スタッフ は、一人でも多くの音楽ファンに最高のパフォーマンスを届けるために、日々努力を重ね、活動しています。今日のチケット高額転売は、アーティストと音楽ファンとのこれまでの良好な関係を壊してしまう問題なのです。」
- 日本音楽事業者協会専務理事・中井秀範
「本来、定価で手に入るはずのチケットが、一部の悪質な転売業者によって高額なものになり、しかもそれは新しいコンテンツの創作のためには全く活かされないのです。そのような状況を深く憂慮するとともに、根絶に向けての努力を続けたいと思います。」
- コンサートプロモーターズ協会会長・中西健夫
「コンサート数・動員数共に年々増加の一途であり、それはライブ活動がアーティストとファンにとっての重要度の高まりを示しています。そんな中で、単に金銭利益だけが目的である一部の転売ヤーのために、アーティストとファンがどれだけ多くの犠牲を払っているかを少しでも知っていただきたいです。」
(黒木貴啓)
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