経済産業大臣の発言「(残業は)帰宅後に自宅でやって」が逆の意味で拡散され炎上 「自宅なら残業にあたらない」は誤解
本来は残業削減を目的とした取り組みですが、「長時間労働を推奨している」と逆の意味で受け取られてしまっているもよう。
経済産業大臣の世耕弘成氏が11月8日、記者会見で語った「(残業は)帰宅後に自宅でやって」という発言が誤解され、炎上する事態となっています。もともとは残業削減策の1つとしてテレワーク(遠隔勤務)の導入について触れたものですが、報道では「結局ものすごく残業をやっているのを、自宅に持って帰ったら同じこと(=仕事のプロセスそのものを見直さなければ意味がない)」という部分が省略されてしまい、本来の意味とは逆の「自宅に持ち帰って仕事すれば残業じゃない」といったニュアンスで拡散されてしまいました。
世耕氏は閣議後記者会見で、自身が取り入れたテレワークの効果について説明。国会答弁の資料を自宅で“予習”することで、経済産業省で行われる答弁勉強会の短時間化に成功したことを明らかにしました。これにより、参加する職員の労働時間を減らすことができたとのこと。今後は職員にもテレワークを導入し、自宅で「子どもの宿題を見ながら作業できる」ような仕組みづくりを進める意向です。
しかしその後、産経ニュースがこの発言を「経産省が残業削減でテレワーク導入へ まず国会答弁作成『帰宅後に自宅でやって』」というタイトルで取り上げたところ、Twitter上では「定時まで働かせて持ち帰り仕事させるなら残業と同じ」「国家ごとブラック」と批判的な声が次々とあがりました。
世耕氏はテレワーク導入の効果について語りつつ、同時に「結局ものすごく残業をやっているのを、自宅に持って帰ったら同じこと」と、まずは長時間労働を前提とした働き方を見直す重要性も強調していました。しかし、記事内ではこの点について触れていなかったため、発言内容とは反対に、長時間労働を促すような施策として受け取られてしまったようです。
内閣官房は3月から、国家公務員の働き方を改めることを目的とした懇談会を実施。「超過勤務を前提とした霞が関の働き方は限界」を迎えており、速やかに業務効率化し、ワーク・ライフ・バランスの実現を図らなければならないと提言しています。
その方法のひとつとしてテレワークの本格的な導入が挙げられています。すでにほぼすべての省庁が制度として取り入れているものの、端末不足などが原因であまり活用できていないのが現状のよう。また、紙を多用し、対面での説明に時間をかける風潮も改める必要があると指摘しています。
(マッハ・キショ松)
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