ニュース

巨大写植を使った漫画の必殺技表現、元祖は「影技 SHADOW SKILL」? Twitter議論に作者が降臨

これは良い集合知。

advertisement
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 バトル漫画には無くてはならない存在の“必殺技”。ところで、技名をフキダシではなく、巨大な写植だけで表現する手法はいつごろどのようにして生まれたのでしょうか? そんな素朴な疑問がTwitterで話題となり、情報が次々に寄せられた結果、その源流の一端が判明しました。

こんな感じの表現

 議論でまず名前が上がったのは「るろうに剣心」「覚悟のススメ」など、1990年代中盤以降に人気を博した作品たち、そして1970~1980年代に一世を風靡(ふうび)した「リングにかけろ」「聖闘士星矢」といった車田正美作品。実際に中身を確認していくと、前者はたしかに巨大写植で必殺技が表現されていましたが、車田作品の必殺技は文字こそ巨大なものの、よく見るとフキダシに収まっているものがほとんどでした。

 そんな中、複数の人から岡田芽武先生の「影技 SHADOW SKILL(以下、影技)」が元祖なのではないか、という声が上がります。「影技」は1992年に「コミックガンマ」で連載を開始し、同誌の休刊後も掲載誌を変えて、2014年に完結。1995年にはOVA化、1998年にはテレビアニメ化もした人気作です。Twitterで情報提供を呼びかけていたウララ(@urara256)さんは、意を決して岡田先生(@meguzou1303)に直接質問を投げかけてみることにしました。すると、岡田先生より「技の名前を巨大な写植で載せるのは僕が始めたのが最初だったかもです」という貴重な回答が。

advertisement
「影技」は2014年に完結

 岡田先生によるとあの独特な必殺技表現は、車田作品の描き文字や写植、そして広告等のデザインを参考に「商品に煽り文句を載せて良いのならば漫画のコマに応用しても良いのでは?」と思いついたのがきっかけだったそう。当時は前例が無かったため、担当編集者から理解を得るためにも一度自分でやるしかないと考え、1991年夏頃に発表した同人誌で初めて実行に移しました。そして同年の冬頃には商業誌でも、巨大写植による必殺技を描くようになったといいます。当時は周囲から「なんでこんなことすんの?」とすぐには理解されなかったそうですが、いまではすっかり定番の漫画表現となりました。

初挑戦ゆえの苦労も
大きな写植を使った必殺技表現を初めて試みたという同人誌。岡田先生はこのとき19歳
ウララさんによる、TwitterのやりとりをまとめたTogetterが公開中です

 少なくとも1991年から、岡田先生の手により、大きな写植を使った必殺技表現がされていたことが判明しました。ただし、岡田先生よりも前に先例がなかったかについては厳密な調査が行われていないため、さらなる検証の余地はありそうです。気になる人は、ぜひ必殺技に着目して、本棚に眠る過去のバトル漫画を読み返してみましょう。

関連キーワード

漫画 | 同人誌 | 聖闘士星矢

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 天井裏から変な音がする→スマホを突っ込んで撮影したら…… 映った“とんでもねぇ”モノに「恐ろしい」「何これ」と騒然の196万表示!
  2. 11カ月娘、帰宅したママの顔を見た瞬間……! ママ「うれしそうすぎてうれしすぎる」100点満点のお出迎えに「これは可愛いよ」
  3. 亡き父が植えた思い出のモミの木が巨大化→次男が伐採していると兄が現れ…… リアルな庭じまいの記録に共感と応援の声
  4. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  5. 「あのおじさん誰?」 お笑い芸人、解散後の激変ぶりにネット驚き「ピスタチオ 懐かし」
  6. しぶとい雑草“ドクダミ”を生やさない超簡単な方法が115万再生! 除草剤を使わない画期的な対策に「スゴイ発見」
  7. 1歳女の子に赤ちゃんのころの服を着せてみたら…… 成長感じるほほ笑ましい姿に「プリプリww」「かわいすぎ〜!」
  8. 【今日の計算】「37+63×2−1」を計算せよ
  9. アルミ板に水銀を垂らしたら……? 5000万再生の“衝撃的な実験結果”に「不気味」「一生忘れられない」
  10. 「虎に翼」、「カムカム」の俳優が終盤に登場 急展開の予感に「ホント似合うよね、こういう役!!」