インタビュー

遠藤雅伸に聞く:ゲームデザイナーとなるには、ゲームの面白さを知るには、どんな本を読めばいいのか?(5/5 ページ)

ゲームデザイナー&研究者・遠藤雅伸インタビュー。

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遠藤雅伸から「これだけは言っておきたい」メッセージ

―― 長時間にわたってインタビューにお答えいただき、ありがとうございます。最後になりますが「これだけは言っておきたい!」的メッセージをいただけませんでしょうか。

遠藤 知りたいことはありましてね、私に感化されてゲームの道に入った後輩たち、彼らがいま幸せなのか、それは知っておきたいし、彼らの話を聞きたい。

 時々「ゲームは人生を狂わせる」的クレームを耳にするけど、そうでしょうか。狂うヤツは狂う。狂ったヤツはゲームに触れなくたって、きっと他の何かで狂っただろうと思う。

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 それから私自身のことを言えば、常にフォロワーにとって自分が背中の見える存在であり続けたい。ゲーム開発者は「プレイヤーの斜め上を行く!」でないと。市場調査をしてプレイヤーたちの好みを割り出し、彼らに迎合するコンテンツを適当に作ったところで、トンがってなければ買ってもらえないのではないでしょうか。イノベーションは多数決でできるものではないので。

 それからこれから言うことはお伝えしたいですね。

 ゲームのプロなら「イノベーティブをどう作るか?」、これを常に意識する必要があります。

 一番いい材料は、経営学者のフィリップ・コトラーが提唱している「イノベーティブはマーケティングからつくる」「プレイヤーの行動からイノベーティブを予測できる」の概念です。

 私はまたスティーブ・ジョブスの考え方である「人々の行動を分析するとイノベーティブが作れる」点にも感化されています。

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 私はですね、「また遠藤さんがヘンなことやってる!」って言われ続けたいんです。常に先を進んでいる存在でありたい。そうして自分流のゲームデザイン論を構築する、これが自分のライフワークです。ゲーム開発者であることを止めたことはない。研究こそ私にとって面白いゲームなんだ。繰り返しますが、研究に定年はないからね!

 だから学生にも常々言っています。

「うまい店というのは食べてみろ」

「不思議なことはやってみろ」

「失敗しろ。失敗して向上できないヤツはゲーム業界に来るな」

 若い方たちは企画や研究をドンドン査読してもらって、ドンドン落とされるのがいいでしょう。人は挫折から這い上がって成長していくんですから。売れるものがどうできるのか、知らないで語るな!

 というわけで、ゲーム産業の後輩の皆さん、今後とも遠藤雅伸をよろしくお願いいたします。

取材者:蔵原大さん(東京電機大学非常勤講師、アルテス・リベラレス開発研究所戦略総務部長)、D・Sさん
取材協力:シミルボン(株式会社ブックリスタ)
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