スクールガーディアンは鍵アカウントも見られる(?)というウワサ 運営会社とTwitterに聞いてみた
SNSはパブリックなものとの認識が重要です。
2月6日放送のバラエティ番組をきっかけとした「スクールガーディアンは鍵アカウントでも見られるのではないか」という疑惑について、運営会社とTwitter社を取材しました。
スクールガーディアンとは、生徒が抱えるネット上のトラブルなどを学校側が認識するために、民間の業者にSNSなどの投稿を確認してもらうというサービスです。TBS系「好きか嫌いか言う時間」で取り上げられ、番組内には実際にスクールガーディアンのサービスを提供する会社の担当者が出演。現役の学生たちからの質問などに答えていました。
話題になっているのは番組中のワンシーンで、スクールガーディアンはSNS上を見回っているという話から「鍵アカウントの場合はどうなるのか」という質問が上がりました。これに対して運営会社は「企業秘密なのでその仕組みについては言えない」と言及を避けました。ところが放送後に続々と番組のキャプチャー画像などが出回り、「スクールガーディアンならば鍵アカウントでも見られてしまうのでは?」というウワサが流布しています。
運営会社を取材
ねとらぼ編集部はスクールガーディアンのサービスを提供し、番組にも担当者が出演していたアディッシュに接触。鍵アカウントについてのウワサは本当なのか、そしてスクールガーディアンとは何なのかを取材しました。
――ツイッター上では「鍵アカウントもスクールガーディアンなら見られるらしい」と思わせるようなツイートが拡散していますが、これは事実なのでしょうか
担当者:弊社では、「見られる、見られない」「見ている、見ていない」については公表を差し控えさせていただいておりますが、SNSの利用規約に抵触するような行為はおこなっておりません。
――もし学校への報告が発生した場合は、SNS上での該当記述を撮影して学校側に渡すという形になるのでしょうか
担当者:どのような形で情報のやりとりをしているかは、公表しておりません。
――スクールガーディアンを導入している学校はどの程度あるのでしょうか
担当者:私立で全国191校(うち都内93校)、公立の場合は入札の結果によって左右されますが、アベレージで数百校程度です。
――そもそもスクールガーディアンのお仕事はやはり生徒の「監視」が目的になってくるのでしょうか
担当者:スクールガーディアンはネット上での生徒さんの見守りサービスです。リアルの出来事そのものについては、先生方やご両親などによる観察で発見されることも多いですが、ネット上の書き込みについては、先生やご両親の目が届かないことが多いです。それを弊社が代わってチェックし、トラブルのタネをご報告しています。生徒さんに降りかかるトラブルを早期に発見するチャンネルの一つとして位置付けています。
Twitter社を取材
鍵アカウントへの対応状況については明言を避けたアディッシュ。一方で疑問として残るのが、「相手に許可されていない鍵アカウントを見られる方法は技術的に存在するのか」という問題です。Twitter社を取材しました。
――許可されていない相手に鍵アカウントを見られてしまうということはありますか
広報:Twitter社の社員であっても鍵アカウントの方の投稿を見ることはできませんので、基本的にはあり得ないと思います。
――基本的には、というと
広報:あくまでも一つの例ですが、サードパーティーアプリケーションと連携する場合に「ツイートを読み込む」という許可項目があったとします。それについて同意したうえで「Twitterと連携する」ボタンを押したとしたら、鍵アカウントであってもサービス提供者がその方のツイートを見ることはできると思います。
※サードパーティーアプリケーションとは……Twitter.comやTwitterの公式モバイルアプリとは別に開発されたアプリ。ツイートやそのほかのTwitterデータにアクセスするのに使用される。
――Twitter社が特定の事業を行う事業者に対して何か特別な権限を与えるということはあり得ますか
広報:法的な開示要求などがない限りは利用者の情報を開示することもありませんし、民間の事業者に対して特別な権限を付与するということは考えられません。
(Kikka)
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