やしろあずきの調査―― 初対面の人とのコスプレ撮影って安全なの? 実際にカメコとレイヤーに聞いてみた(2/4 ページ)
最近、「撮影中にエロいポーズや格好を強制させられて、断る事ができず後々トラブルになった」とか聞きますよね。実際どうなの?
そして撮影当日
今回は東京都江東区にあるコスプレ撮影スタジオ「booty東京」様に取材、撮影許可を取った上でお邪魔させていただきます。
どうやらスタジオ内で待ち合わせしているそうなので、さっそく中に入ってみます。
スタジオ内で少し待っていると……。
「初めまして~! 本日撮影させていただきます! よろしくお願いします!」
「はじめまして! よろしくお願いします!」
カメコ、レイヤーの双方が到着!
お互い直接会うのは初めてなので、まず軽いあいさつと雑談を交わしています。
お互い笑顔で良い感じですね。初対面で押し黙っちゃったりすると空気が悪くなりますし、笑顔が大切です。笑顔。
雑談の内容はよく聞いてなかったので分からないんですけど、多分天気の話でもしていたんでしょう。初対面の人間とまず話すことといったら天気の事ですからね。ちなみに当日はめちゃくちゃ曇ってました。
最初はもっとお互い探りあい、隙があれば命を取ろうと殺伐とした雰囲気になるんじゃないかと危惧していましたが、2人とも礼儀正しい態度で会話していて、なんか和やかな雰囲気です。
僕以外は。
「貴様がカメラマンか!!!!! 甘い口車でうまく女の子を誘い出せたと思っているようだが、俺がいる限り思い通りにはさせんぞ!!!!」
「何ですかこの人」
「最近よく見るレイヤーとカメコ同士のトラブルとかを見て、コス撮影って本当に安全なものなのか疑問を抱いているらしくて」
「なるほど……確かに何も知らない人からするとスタジオを使ったコスプレ撮影ってどういう物なのか想像できないし、初対面の異性と2人っきりで撮影って大丈夫なの? って思っちゃう気持ちも分かりますね」
「分かりました! じゃあこの撮影でスタジオの安全さ、そしてレイヤーとカメコお互いがちゃんと常識を持ち、ルールを守って撮影をすればコス撮影はとても楽しいものなんだなって事をお教えしましょう!」
「なるほど、じゃあ色々聞いて……あれ? さっきまでいたレイヤーさんの姿がどこにもないぞ!?」
「貴様ああああああああああああ!!!! 少し目を離した隙に……! 一体どうやって……まさか複数犯……!?」
「うわあ! 違いますよ!! 着替えに行ったんです!! ここはシェアスタジオ(同じ時間帯に複数の人が場所を譲り合って使うスタジオ)なんで、早めに着替えないと使いたい撮影スペースが人でごった返しちゃう事とかもあるので……」
「あ、そんなすぐに着替えるんだ。何を着るとかの打ち合わせはしないの?」
「そういうのは撮影前にTwitterのDMで済ませておくようにしていますね。当日は時間を有効に使いたいので。ちなみに、今日は1デーパスポートといって平日なら10時間ずっとスタジオを使えるチケットで入場しているので、朝から夜までずっと撮り続けますよ」
「じゅ……10時間!? 一着の衣装でそんな撮るの?」
「一着の衣装を集中して撮る時もありますが、今回は時間もたっぷりあるので三着ぐらいの衣装をレイヤーさんに持ってきてもらっています。これを途中で着替えタイムを設けつつ10時間ぶっ続けで撮ります。やしろさんも最後まで付き合ってくださいね。」
「(普通に帰りたくなってきた)」
スタジオってどんな所? 撮影スペースを見学
「それにしてもキレイだよね、ここ。コスプレスタジオってもっとごちゃごちゃしてんのかと思ってた」
「そうですね、撮影って結構疲れるので、休憩にも使えるラウンジがキレイなスタジオは割とありますよ! オープンな感じだとそれだけで安心できるでしょ?」
「確かに安心できる」
「漫画も置いてあって好きに読めますし、デリバリーを頼んで食事もできます。あと、ゲームも自由にやっていいんですよ!」
「ほぼネットカフェじゃん」
「そういえばレイヤーさんの着替えってどのくらいかかるものなの?」
「いやー、それは本当に衣装とかメイクによりますね。制服とか簡単なコスだったら30分ぐらいで終わりますし、ドレスだったり装飾、メイクが凄い衣装なら1時間以上かかる事だって全然あります」
「大変だなぁ、カメラマンはその間何してるの?」
「そうですね…これも人によりけりでしょうけど、僕の場合は機材を調整したり、スタジオ内をぐるっと回って設備を確認したりでしょうか……。あ、どうせなら今から一緒にスタジオ内を回ってみますか?」
……という訳で、カメラマンの案内でスタジオを見学してみる事になったのですが、スタジオがめちゃくちゃ巨大でして、1階から6階+屋上まであり(2階は女性専用の更衣室)、そこに28個ほどのテーマ別の撮影ブースが設けられていました。
流石に全部を紹介はできないのですが、せっかくなので一部だけ紹介をしたいと思います。
酒場ブース
「すごい、めちゃくちゃ雰囲気が出てる」
「もちろんカウンターの裏にも入れますよ」
書斎ブース
「うわあ、こんなところで働きたい。人生が豊かになりそう」
「現代モノからファンタジーモノまで、幅広いコスに使えそうですね」
女の子ルームブース
「ベッドもある」
「寝ないでください」
アイドルブース
「照明とかもこっちでいじれるので、本当にライブやってる気分にもなれますよ」
「写真じゃちょっと分かり辛いけどめちゃくちゃキラキラしてる……」
「トイレは普通なんだ」
「全然普通じゃなかった」
と、こんな感じでテーマ別のブースがいくつもありました。
実際見てみて思ったのが、めちゃくちゃクオリティーが高い! まるで映画のセットみたいで、自分が本当にその場にいるような気分になれます。
スタジオ撮影が好きなレイヤーさんの気持ちも分かるわ……。
「気づいたと思いますが、スタッフさんも結構な頻度で掃除とかついでに館内を見回っているんですよね。ブース同士もキッチリ区切られているわけでもなく、他の撮影者さんだっているのでここで怪しい事なんてできないですよ」
「確かに、スタッフも女性が多いし何かあれば相談しやすいもんね」
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