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そこで宇宙大戦争はずるいよ!(褒め言葉) 「バイプレイヤーズ」第8話、大杉漣さんは仲間の信頼を取り戻せるのかねとらぼレビュー

大杉漣さんの引き受けた役がバラバラすぎる。

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 テレビ東京のドラマ24「バイプレイヤーズ ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」。第8話は「バイプレイヤーとキー局制覇」。

 同クールレギュラー制覇は、実際にバラエティなども含むとあり得るようです。でもかなりマレ。

 作中でモリモリ仕事を入れまくる大杉漣さん回。仕事の幅が広いため、撮影風景もさまざま。中でも印象的なのは、低予算映画「みたらし熟女」。布団の中で大杉漣さんが、女性に迫る演技がこちら。

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シュール極まりない光景

 某番組のキスで有名な、浅見千代子さんじゃん! ……いや確かに熟女ですが。なお大杉漣さんとのキスは未遂に終わりました。

今までのおさらい

 6人の名脇役俳優をデフォルメしながら、本人が本人を演じる形式のドラマ。「七人の侍」撮影のため、3ヶ月のシェアハウス生活をすることになった、遠藤憲一さん、大杉漣さん、田口トモロヲさん、寺島進さん、松重豊さん、光石研さん。

 一緒に過ごして、かなーり仲良くなってきました。ところが実は「七人の侍」の撮影はかなり前にポシャっていたことが判明。10年前の自主制作映画「バイプレイヤーズ」の失われたフィルムを探すために、大杉さんが内緒にしていた、いわばウソの合宿でした。打ち明けた大杉さんは狼狽(ろうばい)。メンバーはさすがにブチ切れ。

役者失格じゃないですか

松重「そりゃ集まりますよ、役者ならトライしてみたくなるような内容ですからね!」「漣さんは俺達の演じてみたいって気持ちを利用したんですよ」

遠藤「漣さんさ、フィルム盗んだやつ役者失格とか言ってたけど、こんなことやってる漣さんは役者失格じゃないですか」

シェアハウスのメンバーから糾弾される大杉さん。

 つらい。でもさすがにこればっかりは自業自得。言い訳のしようがない。面々がシェアハウスを去っていくのを見守るしかありませんでした。

 ウソはよくない。ただ、大杉さんはずっと「俳優」という仕事に対して、真摯な気持ちでした。だから失ってしまった信用を取り戻すために、言葉でいろいろ言い訳するのではなく、役者として仕事をこなすしかない、と決意。拝み倒して仕事を詰め込みに詰め込んだ結果が、「NHK→TBS→テレビ朝日→CX→テレビ埼玉→テレビ東京→日本テレビ+Eテレ」というエグすぎるスケジュール。

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次の現場まで走れっ! マネージャーもめちゃめちゃ大変そう

 体操のお兄さん、お父さん役、おじいちゃん役、サッカー選手役。ちなみに大杉漣さん本人はサッカー好きなことで有名です(シェアハウスの監視室では、ユニフォームを飾っていました)。

 総理大臣役のシーンは、音楽がずるい!(褒めてます) 怪獣映画的なアレです。1話朝食シーンで話していたみたいに、あの後殺されちゃうんじゃないの。

信頼ってなんだろう

 大杉さんは今回、「信頼」に関するシーンに何度か立ち会っています。

 その大きなものの一つは滝藤賢一さんとのシーン。以前滝藤さんは作中で、不倫スキャンダルを文春にすっぱ抜かれてしまい、仕事を一気に失いました。どん底に落ちていた彼。

復帰の話を大杉さんにする滝藤賢一さん。なにげに準レギュラー状態

滝藤「コツコツと色々やりましたよ」「学生の自主映画に出て、あと再現ドラマのオーディションに参加したりして」

 ギャラの高さなどを考えず、なりふり構わず食いついた結果、YouTubeでバズったことで復帰のきっかけが産まれた。

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 どこで何が起きるか分からない……ではないと思う。幸運をつかめたのは、それだけあがいて釣り針いっぱい投げて、しかも実力を全開で出していたから。必死に踏み出さないと、信頼は戻らない。

 ただし、やり方のバランス見極めは、本当に難しい。どんなにすごい俳優でも、人間です。

役者の体はひとつですから

田口「気をつけてくださいよ、今倒れたりして、それだけのスケジュールとばしたら、業界干されちゃいますから」

 仕事を抱えすぎた俳優の大変さを、シェアハウスの面々はわかっています。最初は「たくさん仕事をしたらみんなが認めてくれる」と考えていた大杉さん。そんなことはない、むしろ呆れていた。

 仕事を高クオリティでたくさんできる人は、もちろん立派だ。しかし自分の身の丈を超えてしまうと、パンクして周囲に迷惑をかけてしまう。

 田口さんはスケジュールゆえに、自分のところにきた、昔からお世話になっている仲間の企画を、断らざるを得ませんでした。苦渋の選択です。

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光石「役者の体はひとつですから」
田口「企画が流れるのってつらいよね」

 助けてあげたい。でも無理にやって迷惑をかけるわけにいかない。

 大杉さんは、田口さんが捨てたその台本を見て、慌ててその仕事を受けます。なんとかしてあげたい、と思ったから。

 低予算映画。お金はそんなに入ってこないはず。キー局制覇で忙しいのに、ねじこんだ。

 そして、過労で倒れてしまい、3日間も穴を開けた。

 大杉さんのやりかたが良いのか、田口さんの選択が正しいのか、それは本人たちにしか分かりません。

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 ただ、大杉さんは体を壊してでも、誰かのために演じたい、という気持ち自体はまぎれもない本物。やったことは無茶だったけれども、誠実さはシェアハウスのメンバーにちゃんと伝わりました。滝藤さん同様、思った通りではないかもしれないけど、動いたからこそみんなの信頼が戻ってきた。今まで積み重ねてきた関係は、ちゃんと取り戻せる。人情のある人には、人情が返ってくる。

 全員が大杉さんの開けてしまった仕事の穴を埋めるシーン。かなりコメディタッチだけど、本当に熱い。

 松重さんはサッカー選手に。遠藤さんは子ども番組に。田口さんはNHKのおじいさん役、寺島さんはCXの父親役。そして光石さんは。

光石研さん、トップクラスの笑顔がここで

 「みたらし熟女」の現場で、すっかり仲良しに。なんか違わない?

 光石さんは今回、ものすごいプレイボーイだということは分かりました。熟女をみたらしている。

寺島「やっぱ家族は最高かな。ただね、時々館山の空気吸いたくなるんだよな……」

 倒れた大杉さんのことで、みんなが一旦シェアハウスに集合したときのセリフ。大杉さんが自分の本音を言いやすい空気を作ろうと気配りする、みんな。かっこいい。

 偽りの強制共同生活は終わりです。

 ここからは「真・バイプレイヤーズ」。6人の意思で、フィルムを探す日々が始まります。

 にしても、ジャスミンが今後もこのメンバーと行動を共にすることになったのは、よかった。彼女はこのまま戻れなかったら完全にヒールで終わってしまった。でも大杉さんにとっては「バイプレイヤーズ」を探す大切な仲間だったようで、彼女に色々打ち明けていました。みんながバランスをとって館山で絆を深められたのは、やっぱりジャスミンがいてこそなところ、あると思うなあ。彼女も、バイプレイヤーズを騙せるほどの一流の役者だったんだもの。

(C)「バイプレイヤーズ」製作委員会

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