警察官風のコスプレや、白バイ風のバイク改造はどこまで許される? 警視庁に聞いてみた
ケースによっては刑罰を受ける可能性も。
ハロウィーンやコスプレイベントなどでよく見かける警察官風のコスプレ。そして時折話題になる白バイ風のバイク改造車。それらは一体どこまで許されるのか、警視庁を取材しました。
近年、警察官の制服風コスプレをする人や、バイクを白バイ風に改造する人が増えているといいます。ネット上では自身の“警官コス”をSNSに掲載する人や、カスタムバイクを掲載する人、「赤色灯非搭載なら白バイ風に改造しても大丈夫」「バイクに○○警察のペイントがあると検挙される」「サイレンを鳴らすと捕まるらしい」とウワサも流れています。
一体どこまでの範囲がコスプレとして許容されるのか。また、もし法に触れてしまった場合にはどういった罰を受ける可能性があるのか、警視庁にお話を聞きました。
警視庁の見解
――警察官の制服風衣装を着用する場合、どこまでが許されるのでしょうか。例えばバッジなどに「○○警察」などが書いてあると法に触れるなど明確な規定はあるのでしょうか
警視庁:軽犯罪法第一条第十五号に、「官公職、位階勲等、学位その他法令により定められた称号若しくは外国におけるこれらに準ずるものを詐称し、又は資格がないのにかかわらず、法令により定められた制服若しくは勲章、記章その他の標章若しくはこれらに似せて作つた物を用いた者」と定められています。
――では法に触れると判断された場合、どういった罰があるのでしょうか
警視庁:拘留または科料と定められています。拘留は1日以上30日未満とし、刑事施設(拘置所または刑務所)に拘置されます。
――科料とはどういった刑罰なのでしょうか
警視庁:科料は一定額の金銭を国庫に納付せしめる刑罰で、1000円以上1万円未満です。ただし、量刑については警察は決定する立場にありません。
――例えば私有地などでリアルな警察官コスプレをした場合も法に触れる可能性がありますか
警視庁:私有地内についても、軽犯罪法第一条第十五号に抵触します。
――リアルな白バイ風のバイク改造や白バイ隊員風のコスプレをして公道を走ることについてはどうなりますか
警視庁:道路上で、運転するためには道路運送車両法、またはこれに基づく命令の規定に定めるところに適合していなければ、違反となります。
――過去に軽犯罪法第一条第十五号に触れるとして逮捕されたケースはあるのでしょうか
警視庁:平成27年に1件検挙しています。なお、コスプレなどが原因であるかどうか、過去の個別の案件について公表はしていません。
ということで、「○○を付けるとだめ」「○○と表記してはいけない」といった明確な決まりはなく、警察官がケースごとに慎重に判断しているのが実情のようです。
また、警察官に限らず自衛官、消防士などのコスプレに関しても、軽犯罪法第一条第十五号に抵触する可能性があるとのこと。検挙についてはかなりのレアケースのようですが、こうしたコスプレをする場合やバイクを改造する場合には注意が必要です。
(Kikka)
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