ニュース

堀井雄二の出生地でドラクエのスタンプラリーを体験 海や城に待つ魔物たち、洲本はリアルドラクエワールドだった

ドラクエの生みの親が誕生した淡路島の洲本で、ドラクエのイベントが開催中。25年来のドラクエ好きが冒険してきた。

advertisement

 ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親である堀井雄二――その生誕の地・兵庫県洲本市(淡路島)を舞台に、スタンプラリー「ドラゴンクエスト冒険の旅 in 洲本」が開催中だ(7月16日~8月7日)。海に山、城、堀井さんの実家まである洲本をフィールドマップに見立て、街に点在するドラクエモンスターにちなんだスタンプ台を、冒険さながらに探して回るイベント。

洲本の高速バスセンターでは、巨大なキングスライムがお出迎え

 キャッチコピーは「スタンプラリーじゃない。冒険だ」。25年来のドラクエファンである筆者が体験したところ、ただ堀井さんの出身地だからやってみましたというイベントではなく、洲本はゲームの原点とも思える「リアルドラクエワールド」だったと感激することに。現場で記録してきたぼうけんのしょをお伝えしよう。

空と海と洲本とスタンプ求めし者

 スタンプラリーのコースは、所要時間60分程度の「スライムコース」、60~90分程度の「キングスライムAコース」「キングスライムBコース」の3つ。全12カ所のスタンプ台のうちコースによって2~5カ所を巡るが、筆者は全てを回ってみた。

advertisement
スタンプラリーの台紙も、ドラクエ感満載だ
マップもドラクエ風。ファンにはたまらない
できたてピカピカのモニュメント

 スタート地点の「洲本市民広場」には、7月15日に除幕したばかりの「スライム&ロト装備の銅像」が置かれている。堀井さんいわく「スライムに幸福、盾に厄よけ、剣に悪縁を切る願いを込めたパワースポット」だそうだ。旅の無事を祈って、存分になでておいた。

洲本市民広場周辺のようす

 まずは、広場周辺をうろつく。明治時代に建設された赤レンガ倉庫が立ち並ぶ光景は、ドラクエのお城っぽい雰囲気。頭の中で自然とラダトーム城やメルキドのBGMが流れてくるようだ。

 スタンプ台の近くには、キングスライムとスライムがプリントされた「のぼり」がはためいている。もちろん、スタンプの柄もミミックやキラーマシンなどドラクエのモンスター。

のぼりとスタンプ台
「洲本市文化体育館」は、キラーマシン柄のスタンプ

 途中、早くも道に迷う! スタンプ台紙についている地図は中世ヨーロッパ風で冒険をより演出してくれるが、ちょっと方向音痴の筆者には使いこなせなかったようだ。ドラクエのように街の人に道を尋ねると、みなさんとても優しく教えてくださった。洲本市、あったかい……。

はるか彼方にそびえ立つ「洲本城」

 歩いている最中、旅の最終目的地である「洲本城」を発見した。標高約350メートル「三熊山」の頂に雄々しくそびえ立つ天守閣。「天空城かよ!」「あれを登るんかい!」と若干の恐怖を感じたが、それ以上に冒険心が掻き立てられた。

advertisement

堀井雄二ゆかりの地を訪ね歩く

堀井さんがアーケードに登って叱られたという伝説も残っている「本町商店街」周辺にやってきた。

商店街のあちこちにドラクエイベントのポスターが貼られている
商店街の周辺には、映画館を改装したレトロな貸ホール「洲本オリオン」や……
小洒落た雑貨屋・カフェが立ち並ぶ「レトロこみち」もある

 本町商店街にはドラクエファン垂涎のスポット、堀井さんの生家「堀井ガラス店」がある。残念ながら、店じまいされているが、等身大と思しき堀井さんのパネルや、約30年前に堀井さんが書いたサインが飾られ、記念撮影を楽しむことが可能だ。

遠目に見ると、本当に堀井さんが立っているみたい
創造主です

 とここまでは簡易的な「スライムコース」、ここから先は「キングスライムコース」となる。厳しい道のりになることが予想されたので、しばしカフェで休憩。そこにいたお母さんは、堀井さんと会ったことがあるそうで、いろいろなお話をうかがうことができた。旅先での出会い、新たな発見……。これは、まさしくゲームのドラクエと、同じ醍醐味ではないだろうか。

足湯にはタヌキの木彫りが。洲本には、古くから伝わる「タヌキ民話」があるそうだ

 「旧益習館庭園」「淡路文化史料館」「大浜公園」とスタンプを押していく。それぞれの間にけっこうな距離があってキツイ……汗だくになってしまった。途中には足湯があったので、ドラクエIVの「アネイル温泉」さながらに、立ち寄って旅の疲れを癒す。

 にしてもこのイベント、場所とスタンプのデザインが異常にマッチしている。例えば、巨大な岩がゴロゴロしている「旧益習館庭園」は「ばくだんいわ」のスタンプ。海水浴場である「大浜公園」には「マリンスライム」のスタンプが置かれていた。洲本市の方によると、「どこにどのスタンプを配置するかは、広告代理店と相談しながら、市の職員たちで考えました」とのこと。洲本のドラクエ愛をひしひしと感じる。

advertisement
旧益習館庭園
ばくだんいわのスタンプ
大浜公園には……
マリンスライムのスタンプ!
マリンスライムは見かけなかったが、「しびれくらげ」が打ち上げられているのを発見!

ラストダンジョン、天空城「洲本城」~そして完成へ~

ラストダンジョンの入り口、三熊山のふもと
ここから山登りって……めっちゃルーラ使いたい

 ついに「洲本城」のある三熊山のふもとまでやってきた。HPが底を尽きかけた筆者の目に飛び込んできたのは、「洲本城址(頂上)まで、0.7km」の看板……。「明日あらためて来よう」「タクシー使うか」といろいろ悪魔が誘惑してくるが、勇者が引き返すわけにはいかないし、ラストダンジョンを乗り物で行くなんてプレイヤーなら興ざめだ。意を決して歩いて行く。

「洲本城」へ向かう登山道

 傾斜がきつい……東京の高尾山に「6号路」というやや急坂の山道があるのだが、それに限りなく近い。木はうっそうと生い茂り、ハチが巣の周辺でブンブンと飛びまわっている。レベル10程度のアマチュア勇者にはつらくて長い道のりだ。30分ほど歩くと、ついに木々の間から光が見えてきた……!

そろそろだ……!
天守閣登場!

 やった! 天守閣だ!! 眼下には洲本市街が広がっている。まさに疲れが吹き飛ぶ絶景。最後のスタンプを押してみると、ラストダンジョンにふさわしいあの強敵が現れる。無事に全てのスタンプが集まり、筆者の冒険は終わったのだった。達成感、半端ない……!

堀井さんの出世作「ポートピア連続殺人事件」にも登場した洲本の港が見える
完成したスタンプラリー。「洲本城」で手に入ったスタンプはクリックするとモザイクが外れます

 洲本は、海あり、山あり、お城ありで、ドラクエの世界をミニチュア化したような街だ。スタンプラリーで巡っていると、幼き日の堀井少年が街を駆け回る様子が目に浮かんできた。この街で育ったからこそ、堀井さんはドラクエを生み出すことができたのだろう。洲本に行った今なら痛いほどわかる。そう、きっとここは「ドラクエワールドの原点」なのだ。

洲本マップに書かれていた堀井さんのサインとスライム

 ドラクエファン歴四半世紀の冒険者として、断言できる。あなたがドラクエファンであれば、絶対にこのイベントに参加したほうがいい。洲本での大冒険を体験すれば、最新作「ドラゴンクエストXI」も、倍楽しくなることは間違いないだろう。

advertisement
本イベントの景品交換所になっている「ドラゴンクエストミュージアムセレクションズ」

 スタンプラリーは8月7日まで実施予定だが、マップ(スタンプ台紙)の配布は予定数が無くなり次第終了するので、参加を考えている人は注意しよう。なお、街に戻った筆者を待っていたのは、スタンプラリーの豪華景品。後日、参加者の自宅に景品を郵送をしてもらえるそうだ(※ 7月28日時点)。何が手に入るのか、『この先は君自身の目で確かめてくれ!』。

(亜木本レイ)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  4. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  7. 高2のとき、留学先のクラスで出会った2人が結婚し…… 米国人夫から日本人妻への「最高すぎる」サプライズが70万再生 「いいね100回くらい押したい」
  8. 「腹筋捩じ切れましたwww」 夫が塗った“ピカチュウの絵”が……? 大爆笑の違和感に「うちの子も同じ事してたw」
  9. 「2度とライブ来るな」とファン激怒 星街すいせい、“コンサート演出の紙吹雪”が「3万円で売買されてる」 高値転売が物議
  10. “膝まで伸びた草ボーボーの庭”をプロが手入れしたら…… 現れた“まさかの光景”に「誰が想像しただろう」「草刈機の魔法使いだ」と称賛の声