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「プロゲーマーって引退したらどうするの?」 現役プロゲーマーにeスポーツの将来について聞いた(2/3 ページ)

「プロゲーマーってモテるの?」など、いろいろな話を聞いてみました。【訂正】

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―― ぶっちゃけ年収どのくらいですか? というのも聞きたいんですけど……。

ボンちゃん: あ~……。まぁ生活は……全然、困らないですね(笑)。まぁ具体的な金額はアレですけど……「結婚できます」ってくらいです。

―― 今、ゲームタイトルはストリートファイターVだけに絞って活動していますよね。このタイトルはEVOの参加人数が1年で激減しましたが、もしこのタイトルが廃れたらどうしますか?

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ボンちゃん: 廃れたらどうするか、というよりは“自分がやるゲームを盛り上げよう”という考え方なので、廃れていったとしても「いや、盛り上げますよ」という感じですね。

―― では、ストリートファイターVのサポートが終了してカプコンカップ(高額の賞金がかかった公式世界大会)も終了しますとなったら。

ボンちゃん: それは……お金になりそうなゲームにしますね。賞金って、その人のパラメータになるというか、頑張った結果が数字として表れるものなのである程度稼がなきゃダメだと思うんですよ。だから、ストリートファイターVは賞金が高いからやらざるを得ない、という感じですね。

一日の練習量は8時間から10時間くらいとのこと

―― では、他の格闘ゲームタイトルの大会が同じくらいの高額賞金、もしくはそれ以上の金額を出すとなったら……。

ボンちゃん: (食い気味に)やりますやります。全然やります。(ストリートファイターVに)固執する理由なんてないんで。

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―― プロらしい答えですね(笑)。では、格闘ゲーム以外のものに参戦する可能性は?

ボンちゃん: 格闘ゲーム以外となると、全然触ってないんですよ。現状LOL(リーグ・オブ・レジェンド)とかは賞金がすごく高い訳ですけど、やってないんで……。仮に格闘ゲームができなくなったらやるかもしれないですけど、そんなに甘い世界じゃあないだろうと。それに、向こうは20代で引退どうこうが言われる世界じゃないですか。こっちは30歳なので。

初期のストリートファイターVには「いら立ちを超越していた」

―― 海外のインタビュー動画で、ストリートファイターVのゲーム性を批判していました。「(バトルバランスの)調整の仕方が幼稚園児」「オンライン対戦は“テストプレイしてないでしょ”ってくらいひどい」など、プロゲーマーとしてこういう見解を表に出すのはかなりレアなケースだと感じましたが……。

ボンちゃん: あれは、僕は普段からもっとスゴいことを言ってるつもりだったんで。じゃあちょっとオブラートに包んで言ってやろうと。なんなら「包んでやってんだよこっちは!」くらいの感覚で、そんなにスゴいこと言ってるつもりはなかったですよ。むしろ、結構優しいなっていうぐらい。

―― ゲームメーカーの方と接点はあるんですよね? 関係が悪化するかも、と思ったりはしませんでしたか?

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ボンちゃん: まあイベントに呼ばれたりもするので、そこでメーカーの人と顔を合わせたりはしますが(関係悪化は)どうなんですかね……現状クレームを出してくる人は居ないです。というか、メーカー側としても言われて痛い部分だと思うんで、触れづらいんじゃないですか? 残念ながら向こうに正義はないですから。

―― とはいえ、リリース当初と比べたら相当ゲームとしての完成度は上がっていると感じます。発売当初はロード時間やオンライン環境に多くの不満が集まっていましたが、これについてはどう思いました?

ボンちゃん: 笑いながら見てましたよ。もういら立ちを超越してましたね、「すげぇゲームきたな……」みたいな(笑)。とはいえカプコンプロツアー(公式世界大会の出場権を巡って行われる各国での大会)が発表されていたので、どんなゲームでもやらない訳にはいかなかったんですよ。だからそれに従う感じでしたね。

ストリートファイターVはゲームレビューサイトで低評価が付けられている(PlayStation mk2より

―― 一般ゲーマーからは猛烈に批判されていましたが、発売直後には「プロゲーマーからも批判の声をあげてほしい」という声もありました。プロゲーマーという立場であれば、メーカーを堂々と批判する訳にもいかないのではないかと感じたのですが……。

ボンちゃん: まぁ普通批判したくないですよね、一銭の得にもならないのに矢面に立ちたくないじゃないですか。僕の場合はスポンサーから「自由にやっていい」って言ってもらっているので、そういう意味ではインタビューでも言いやすい立場ですよね。

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 でも、誰がどう見ても不満に感じるであろう部分を言っただけで、同意するしかない意見だと思うので、あれで騒がれるのもおかしい話ですよね。仮にあれでメーカー側が怒ってたら、相当問題ありますよ。

景表法は「法律変えてくれよと思ってる」

―― eスポーツには「プレイヤー以外には駆け引きの内容が分かりづらい」という問題があると思います。ゲームの面白さをプレイヤー以外に伝えるために、業界はどうなっていくべきだと思いますか?

ボンちゃん: やっぱり良いプレイをしたら、そのことに気付かれないとマズいんですよ。そこをどう認知されるかを考えると、やっぱり大会の実況・解説は頑張りどころかなとは思ってます。特にEVOのような大きな大会だと、与える影響が大きいですから。

 ただ、現状は人材不足すぎますね。実況・解説って求められるスキルが半端じゃないんですよ、それこそトッププレイヤーとまではいかなくてもかなりやり込んでないと知識も入ってないですし。

―― 海外と日本を比較して、プロゲーマーの環境はどう違います?

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ボンちゃん: 日本の方がいいんじゃないですか? 人は多いから望む対戦相手も探せますし、練習環境は恵まれていると思います。海外だと、本当にトッププレイヤーが1人しかいない国もあるんです。例えば、シンガポールだとXianっていう人が“1強”ですし、そういうところと比較すると申し訳ないくらい環境は整ってますね。

―― 景品表示法によって高額な賞金が掛かる大会が開催できないという日本特有の問題がありますが、これについてはどう思いますか?

ボンちゃん: 法律変えてくれよって思ってます(笑)。そりゃそうですよ、大きな大会でも日本開催だと賞金が出ないんですから。海外と全く同じルールなのに、理由が“日本だから”ですからね……ゆがんでますねぇ。

―― 景表法の改正について、プロゲーマー側から働きかけることは考えていますか?

ボンちゃん: 自分たちでどうこうできる問題じゃなかったりするので、プロゲーマーって肩書で闘う場所じゃないかなと。

 でもやっぱり不満でしかないですね。日本で仮に高額賞金が出せるなら、もっと大会も開かれるだろうし、もっと盛り上がるはずなんですよ。これだけ世界中で日本のゲーマーが活躍していて、それなのに大会の数が少ないのはやはり賞金が少ないからですよね。

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