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おじさんたちを性に目覚めさせた伝説の漫画『まいっちんぐマチコ先生』が無料読み放題 振り返ったら不覚にもほろりときた

「いや~ん、まいっちんぐ」ばかりの漫画じゃなかった。

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 えびはら武司さんの漫画『まいっちんぐマチコ先生』全8巻が、9月1~3日の3日間無料読み放題となります。合計30作品が3日間全巻無料で読み放題になる「全巻読み放題名作リレー」の第1弾。これまで横山光輝『三国志』や福本伸行『賭博黙示録カイジ』などの無料キャンペーンを実施してきた電子書店「eBookJapan」が、ついにお色気漫画を開放してくれました。これはけしからん、どうけしからんのか、確認のため熟読しなくては。

『まいっちんぐマチコ先生』1巻表紙

 同作は「あらま学園」2年2組に赴任してきた中学校教師・麻衣マチコが主人公のギャグ漫画。主に生徒の池上ケン太による、少々エッチなイタズラがもとで巻き起こるドタバタを明るく描いています。毎回マチコ先生の「お色気シーン」が出てくる内容が物議を醸しつつも人気を博し、アニメ化や実写化もされました。家族の視線に耐えつつアニメ版を見ていたアラフォー世代も多いのではないでしょうか。

まだ初々しい、赴任したてのマチコ先生(1巻7P)

 筆者もその1人で、原作よりもアニメ版で同作に触れたクチです。しかし当時のことを思い出そうとすると、マチコ先生が「ケン太に『ボインタッチ』と胸を触られる」、「『いや~ん、まいっちんぐ』とポーズを決めて恥じらう」、「しかるのを忘れてしまう」という一連のパターンしか出てきません。きっとおっぱいのことしか頭になかったんだと思います。そこであらためて全巻読んでみたところ、そこにはギャグ漫画としての破壊的な面白さが。アニメ版だけでは分からない、同作の魅力をいくつか紹介しましょう。

ケン太にほんろうされるマチコ先生。しかし意外にも毎回必ずこのパターンというわけではなく、本人が「まいっちんぐ」と言ったのは、全8巻92話中37回だけでした(1巻54P)

自由すぎるマチコ先生 最初は「まいっちん“ぐ”」を“こ”と言い違え

 マチコ先生は生徒思いの優しい女性。毎度ケン太たちにイタズラされつつも、「まいっちんぐ」と言って深くは追及せず、親身になって子どもと向き合います。この定番セリフは、アニメ版では自ら発していましたが、漫画版だと実はケン太の発案。第1話で、赴任するなりスカートをめくられたマチコ先生が「まいっちゃうわね」と言ったとき、ケン太にポーズをつけて「まいっちんぐ」と言うよう、うながされたのが最初なのです。もっとも、そのときは最後の“ぐ”を“こ”と言い間違えてしまうのですが……。

衝撃の言い間違え(1巻8P)
正式な初「まいっちんぐ」は第1話のラスト。どんな状況だ(1巻22P)
だまされてお酒を飲んだらもっとえらいことに……(1巻32P)

 このくだりだけでも分かるように、マチコ先生には案外おちゃめで自由奔放な面も。けっこうな頻度で下着をはくのを忘れてひと騒動起こしますし、ダイエットのために飛び入りしたプロレス研究会の試合でおっぱいが出てしまい、恥ずかしさのあまり対戦相手の股間を爆破する暴挙に及んだこともあります。「生徒からのセクハラ」という大問題を、ギャグ漫画として明るく処理する“天然さ”があり、それが同作のお色気要素をやわらかくしているのかもしれません。

本当に「天然」で片付けていいのか不安になってきましたが、まあギャグ漫画ですし……(1巻178P)

「マチコしぇんしぇ~」 忘れちゃいけない名脇役・山形先生

 同作を語るうえで忘れてはならないのが、マチコ先生に片思いする山形国男先生。「マチコしぇんしぇ~」のセリフを見るだけで、アニメ版担当の千葉繁ボイスが脳内再生される人も多いと思います。マチコ先生に何度も告白しようとするも、いつもケン太たちにジャマされる、嫌われ者のピエロ役。とはいえ登場2回目の時点で、ケン太に下剤を盛られてやむなく野外で用を足し、最後まで「野グソ」と呼ばれ続けるとかかわいそうすぎる。

このアダ名の設定は、風化することなく最後まで生きました。ひでぇ(1巻72P)

 レギュラーに定着してからは、山形先生主体のエピソードも多数。貯金ができるたびにケン太にたかられたり、校医にすら「ゴキブリと山形クンはきらい」と言われたり、散々な扱いです。しかし、ときには神様の気まぐれで超能力を与えられたり、念願のマチコ先生とのデートを実現したり、幸運を授かることも。筆者も歳をとったせいか、気がつけば山形先生に感情移入する自分がいました。もはや第2の主人公だわ。

マチコ先生の気を引くためにと、散財させられる山形先生。驚くと顔が「エッ」の形になる秀逸な表現は、えびはら先生もお気に入りのようで、最後まで多用されました(6巻140P)
シレッと毒を吐く校医(3巻94P)
スーパーマン化してラッキースケベを味わう山形先生。もちろんオチでひどい目に遭います(2巻174P)
思いがけぬ幸運で疑心暗鬼になっていたら、意地悪な作者が忍び寄ってきて……(7巻123P)

マチコ先生が全裸で電話し続けるだけ……実験的なギャグも多数

 決して型にはまらない、エピソードの多様さにも驚かされました。「マチコ先生がお風呂前に延々と裸で電話し続けるだけ」「校長の発案による『パンチラコンテスト』がほぼサイレントで進行」など、実験的な回がちょくちょく挿入されます。さらには「『ポ○チン』(と類する言葉)だけで会話する部族」が登場する狂った話が3回も。詳しく紹介するのがはばかられるほど面白いので、ぜひ5・6・8巻の副題に「ポコ○ン」を含む回をご覧ください。たぶん目次だけで笑えます。

入浴の直前に、ジャンジャンかかってくる電話に応答するだけの画期的な回(4巻162P)
学園祭で「パンチラコンテスト」をやろうという謎の職員会議。セリフは最後の「まいっちんぐ」だけと、サイレントながら非常に分かりやすい内容となっています(4巻61P)
副題だけで名作認定していいと思う(5巻160・161P)

うかつにも「泣けるマチコ先生」

 良い喜劇には少々の“泣ける話”がつきもので、全編ドタバタに見える同作も例外ではありません。マチコ先生が教師を志すきっかけとなった「マチコの初恋時代の巻」や、1巻でマチコ先生宅を狙った泥棒が再登場し更生する「どろぼうは もうやめただの巻」など、ペーソスな話が急にぶっこまれるので油断ならない。

マチコ先生の甘酸っぱい思い出話。山形先生そっくりの同級生、新潟くんが酷い目に遭うなどギャグも忘れない(2巻147P)
元泥棒がピッキング技術で人を救う話。まるでO・ヘンリの短編小説(5巻58P)

 特に、ケン太と父親の愛情が描かれる「走れ!! 2年2組の巻」は、お父さん必読の傑作回。めったに登場しないケン太の父の仕事ぶりや、息子との不器用なコミュニケーションなどが、ギャグ少なめで真剣に展開されます。まさかおっぱい目当てで見ていた子ども時代から30年以上も経って、マチコ先生でほろりと来るとは思いも寄りませんでした。

「アンカー」をキーワードに、親子の情を描くステキなエピソード(4巻152P)

 月並みな表現ですが、「笑いあり涙あり」がものすごくしっくり来る『まいっちんぐマチコ先生』。基本的にちょっと下品ではありますが、読めばおっぱいばかりではない、懐の深さが感じられるはずです。

 同作の読み放題は、eBookJapanが1カ月間実施する「全巻読み放題名作リレー」企画の先陣。9月1日の『まいっちんぐマチコ先生』を皮切りに毎日新たな作品が追加され、全巻が3日間無料で読み放題となります。さらにキャンペーン期間中は対象作品の1~3巻が100円(税別)で購入できるので、3日間じゃ読み切れないという人は先に買っておくのもアリです。

 なお、『まいっちんぐマチコ先生』に続いて9月2日はみやすのんきさんの『やるっきゃ騎士』、9月3日は今泉伸二さんの『神様はサウスポー』が登場し、「ちょいエロ→どエロ→スポーツロマン」という不思議な流れに。その後も9月30日まで全30タイトルが追加されるので、過去の名作を無料で読みたい人はぜひチェックしてみてください!

(C)Takeshi Ebihara



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アイティメディア営業企画/制作:ねとらぼ編集部/掲載内容有効期限:2017年9月3日

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