「サボテンにタオルを置くと規則違反」「食べかけの梨を動かすのはNG」 不思議なゴルフのルールが2019年に変わる理由(1/2 ページ)
なんでこんなルール作ったんです? そして、変えることになったんです?
「マリオゴルフ」「みんなのGOLF」など、ゲームの世界でも人気を集めているゴルフ。本物のゴルフ場には行ったことがないものの、自宅のディスプレイで遊んだことがあるという方も多いのでは?
ゲームではほとんど直面する機会がありませんが、実はゴルフはとても不思議なルールを持つスポーツ。「トゲが足に刺さらないように、サボテンにタオルを置いてスイングしたらルール違反」「グリーン上などにあるアリ塚は、プレイヤーが移動させてもよい」といった内容が明文化されているのです。
しかし、2019年にルールの大幅改定が行われることになっており、ゴルフの競技環境は大きく変わろうとしているようです。いったい、どうしてなんです?
ゴルフの不思議なルール
そもそもゴルフには、どんなルールが設けられているでしょうか。日本ゴルフ協会のWebサイトから、いくつか抜粋してみましょう。
トゲが足に刺さらないように、サボテンにタオルを置いてスイング → 反則
球がサボテンの近くに止まってしまい、サボテンに密着しないとゴルフクラブが振れない。でも、そうすると痛そうだ。うーん、どうしよう――ちょっと想像しにくいシチュエーションですが、こんなトラブルが起こったとき、サボテンにタオルを巻いてトゲ対策を講じるのはルール違反。全ホールの合計打数で勝敗を決める「ストロークプレー」の場合、2打分のペナルティーが課せられます。
というのも、ゴルフでは「プレーに影響を及ぼす意図を持って物理的条件を変えてはならない」と定められており、正当な理由がなければ、周囲の環境をコントロールすることは許されません。なお、とんちのような話になってしまうのですが、サボテンではなく、サボテンに当たる足にタオルを巻いた場合は罰を受けません。
他のプレイヤーがバンカーに食べかけの梨をポイ捨て → 触るのも動かすのも反則
ゴルフには石や木の枝、動物の糞、虫といった動かしやすい自然物を指す「ルースインペディメント(Loose Impediments/固定されていない障害物)」という概念があります。これらは球を打つのに邪魔になることがあり、基本的にはプレイヤーの判断で移動させることが可能です。
しかし、ハザード(バンカー、池などの障害物)がからんでしまうと、話は別。「ルースインペディメントと球の両方が同じハザード内にあるか、またはそのハザードに触れている場合」は、ルースインペディメントに触ったり動かしたりすることができません。他のプレイヤーが食べている途中でポイ捨てしたものだとしても、食べかけの梨は固定されていない自然物であり、ルースインペディメントに該当。うかつに扱うと、2打分のペナルティーを受けてしまいます(ストロークプレー)。
ちなみに、ルースインペディメントかどうかの判断は、移動させる労力の多寡で決まるわけではありません。石の場合は土に固く食い込んでいなければ、大きさにかかわらず該当。あまり簡単には動かせなさそうな気がしますが、アリ塚(地上にできたアリの巣)もルースインペディメントとして扱われます。
ガラガラヘビが近くにいるから、球を移動 → 罰なし
ゴルフは、ゴルフクラブで球を打ってホールに入れる競技。球を手で持って移動させる行為は、原則的に禁止されています。しかし、球の近くに運悪く猛毒を持つガラガラヘビがいた場合は、罰を受けずに球を動かして、プレイを続行させることができます。
なお、これは「コースでよく見かけるような状態とは全く異なる」危険な状況であることから生じる例外的な対応。球がサボテンなどの茂みに入ってしまった場合は、ペナルティーが発生すると記載されています。日本では、ガラガラヘビもサボテンの茂みもそうそう見ない気がしますが、この理由は後述します。
一般人が入れる特殊なゴルフ場で、子どもがバンカーで砂遊び → ローカルルールで対策するのはNG
ゴルフ場の中にはプレイヤーだけでなく、一般人がホールに入れてしまうところも。そのため、子どもがバンカーに砂のお城を作ってしまうケースが存在するそうです。ちょっとほほえましい話ではありますが、これがプレイの妨げになってしまったときは、どうすればいいのでしょうか。
このトラブルについては、ローカルルールで対応してはならないと明記されており、ゴルフ場側で特殊な対応をとるのは禁止。しかし、競技を管理する委員会が「異常なグラウンド状態」に陥っていると宣言することで、通常のルールの範囲内で対応できるとのこと。プレイヤーは、罰を受けずに球を拾い上げて移動させ、プレイを続行できます。
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