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群馬県の石碑群「上野三碑」、ユネスコ「世界の記憶」に登録決定 古代日本のグローバルな文化交流などを伝える

約1300年前の人々の暮らしが分かる歴史的な資料。

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 歴史的な価値を持つ記録物を認定するユネスコの事業「世界の記憶(世界記憶遺産ともいわれる)」に、群馬県の石碑群「上野三碑(こうずけさんぴ)」が登録されることが決まりました。

 上野三碑とは、上野国(現在の群馬県)にある石碑3種の総称で、建てられたのは飛鳥時代末期~奈良時代初期にあたる約1300年前。当時の人々の暮らし、東アジアの文化交流などを今に伝える碑文が記されています。

 日本国内に現存している平安時代以前の石碑は18例で、上野三碑の「山上碑(やまのうえひ/681年)」「多胡碑(たごひ/711年)」「金井沢碑(かないざわひ/726年)」はその内の3例。いずれも群馬県高崎市の直径3キロ以内の範囲に位置しています。

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 同市によると、上野三碑からは東アジアとの文化交流により、中国の政治制度や漢字文化、インドの仏教などを受容する古代日本の姿が読み取れるとのこと。歴史的な価値があることから、以前から国の特別史跡に指定されていました。今回の「世界の記憶」登録は、2016年5月末にユネスコへの登録申請書が提出されたことで実現したもの。

山上碑(Webサイトより)
多胡碑(Webサイトより)
金井沢碑(Webサイトより)

 これらの石碑が建てられたころ、上野国には倭人に加え、朝鮮半島から戦乱を逃れてやってきた渡来人が住んでおり、石碑の建立も彼らによってもたらされた渡来文化のひとつ。そのため、上野三碑は碑文の内容だけでなく、形状などからも文化受容が進んでいたことが伺えるそうです。また、同地域にはヤマト王権に従った蝦夷(えみし)も暮らしており、多民族共生社会が成立していたといいます。

マッハ・キショ松

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