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「平和」と「屋根」をなぜか間違えて覚えていた俳優カール・アーバン、数年の時を経てついに「平和」の漢字を習得!

言葉の壁が生み出した数奇な話の結末とは。

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 映画「スター・トレック」などに出演する俳優、カール・アーバンさんが「東京コミックコンベンション2017」(東京コミコン)で「“平和”という意味だと思い込んでサインの度に“屋根”という漢字を何百回も書いていた」というエピソードを披露。SNSなどで「どうやったら“平和”という字が“屋根”になってしまうのか」が話題になっています。そんな中、カールさん本人に誤字を指摘した日本人ファンが見つかり、ねとらぼ編集部の取材に対して真相を語りました。

カールさんが“平和”という意味だと思っていた謎の漢字(編集部で再現したもの)

 12月1日のスペシャルステージでカールさんが明かしたのは、レナード・“ボーンズ”・マッコイ役として出演した映画「スター・トレック」のジャパンプレミアで2009年に書道を体験した際、“平和”という漢字を習ったというもの。以来、カールさんは“平和”の漢字を気に入り、サインする度に何百回と“平和”を書き添えてきたといいます。ところが数年前にあるファンによって「その漢字は“平和(Peace)”ではなく“屋根(Roof)”」と指摘されたことを告白し、登壇者も来場客も大爆笑。カールさんは「今回はきちんと“平和”という字を書けるようにしたいと思います」と語っていました(関連記事)。

スペシャルステージの様子。左からマッツ・ミケルセンさん、ネイサン・フィリオンさん、カール・アーバンさん、福原かれんさん
東京コミコンのゲストとして来日したカール・アーバンさん
「PEACE(平和)だと思っていたら」
「ROOF(屋根)だったんだよね」と語るカールさん
爆笑するネイサンさん
マッツさんもニッコリ

 このエピソードはねとらぼではもちろん、各メディアでも取り上げられ、Twitterなどで話題に。「平和って書こうとして何がどうやって屋根になったのか全然分かんない」「カールに屋根を平和と教えたの誰やろ?」という声や、「平仮名で縦に“へいわ”と書いてグズグズに崩して重ねて末尾をカールさせると“やね”にならなくもない」との推察も行われていました。

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おちゃめなカールさん、なぜ平和の字が屋根に……?

 そんな中、カールさんのファンの一人、TAKE_KUFAN(@TakeKufan)さんが「カールに、あの時、そのマークは屋根だと言ったのわたしです。と伝えたい。そして誤解をときたい」とツイート。自身がカールさんに漢字の間違いを指摘した本人だと名乗り出ました。

TAKEさんに聞く、なぜ“平和”が“屋根”になったのか

 ねとらぼ編集部ではTAKEさんに接触。当時の詳しいやりとりについて聞いてみました。

――カールさんに漢字の間違いを教えてあげたときの様子を教えてください。

TAKE私はもともとスター・トレックのファンだったのですが、リブート版での個性的なマッコイが魅力的でカールにはまりました。2009年のスター・トレックジャパンプレミアにも参加したのですが、カールと対面したのは2015年1月にニューオリンズで開催されたコミコンが初めてです。単身渡米してカールにサインをしてもらっているときに、私が日本人だと知ったカールがキラキラした笑顔で「この漢字の意味は知っている?」と謎の模様を2つ書いて見せました。

カールさんがTAKEさんに見せた模様のような字(編集部で再現したもの)

――見たことのない形の文字ですね。

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TAKE1文字目は「天」に似た字で、2文字目は鳥居のマークに近いものでした。カールが漢字だというので「天井かな?」と判断して指で上を指したところ、「Roof ?」と聞かれたため、そのときは「そうだ」とうなずきました。次に漢字1文字ずつの意味を聞かれたので「天=Sky」「井=Floor(?)」と自信なく説明しました。

TAKEさんが天井の意味を説明したメモ書きに“井”と練習するカールさん

――そのときカールさんはどんな様子でしたか。

TAKE「うーん」と悩んでいる様子でした。そして再度メモにピースマークを書き、「これはピースマークだけど分かる? “天井”には“Peace”の意味はある?」と聞かれ、ないと答えました。そのとき、カールが私の字をマネして「井」と書いてみせましたが、「オレが見たのはこういうのなんだけどなぁ」とまた鳥居のマークのような模様を書き、しっくり来ていない様子でした。ちなみにその後、天井はRoofではなく、Ceilingだったということを伝えたのですが、「あの字は平和ではなく“屋根”」の印象が残ったのだと思います。

カールさんとTAKEさんのメモによるやりとり
つまりこういうこと

――なるほど、言葉の壁がお互いに謎を生んでしまったのですね。東京コミコンでカールさんが漢字のエピソードを話されたということを知ったときはどう思いましたか。

TAKE東京コミコンでカールが「天井」の話をしたと知ったのはコミコンからの帰宅後で、「カールが書きたかったのは“平和”だったのか!」と。これは何とか誤解を解きたいと思いました。そこで東京コミコン2日目にあたる12月2日に、スタッフさんに通訳をお願いして「昨日ステージで話していた漢字の話を説明したのは私だ」と伝えてもらい、ニューオリンズで見せたメモを見せました。するとカールは「あー! あのときの!」とちょっと驚いた表情をしていました。

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TAKEさんとのニューオリンズのやりとりを覚えていたカールさん

――カールさん、メモのことを覚えてくれていたんですね。それからはどうしたのですか。

TAKE「あなたの書いた漢字がよく分からなくて、説明を誤って“屋根”と伝えたが、あなたが書きたい“Peace”の漢字は“平和”」だと伝えました。ここで通訳してくれたスタッフさんがメモ紙に平和の字を書いてくれて、カールは「これかー」と私へのサインに正しく“平和”と書いてくれました。

――ついに念願の“平和”が書けたカールさん、どんな様子でしたか。

TAKE“平和”に加えてハートとキスマークを4つも書き、「ありがとうね!」と握手してくれました。もう1枚サインを書いてほしかったので別のパンフレットを出すとまたサインとともに“平和”を書いてくれたのですが、“平”の字を書いているときに横棒がちょっと短く書いてしまったのが気に入らないようで、「ショート!」と言っていました。案外完璧主義者なのかもしれないなと思いました。

念願の“平和”に添えられた大きなハートとたくさんのキスマーク(TAKE_KUFANさん提供)

――Twitterなどに上がっている写真を確認してみると、これ以降は別の方のサインにも正しい“平和”を書いていたようですね。

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TAKEそのようです。カールと別れた後、別の方に「あなたの後からカールは“平和”って書きまくってますよ! ありがとうございました!」と声を掛けてもらいました。また東京コミコン最終日にもカールに会いに行ったのですが、そのときはお手本なしですらすらと“平和”と書いていて、字も上手になっていました。

――結局“平和”がなぜ“天井”のような字になってしまったんでしょうね。

TAKE通訳をしてくれたスタッフさんによると、恐らく“平和”の“平”の字はどこかへいってしまい、“和”の“のぎへん(左側)”のバランスが崩れて“天”のような字に、“口”(左側)の縦横比が狂って“井”に近づいたのではないかとのことでした。

通訳をしてくれたスタッフさんによる推理。“和”の字がばらけて別の字が誕生した可能性

――最後にステキなエピソードを生んだコミコンについて、またコミコンに来たことのない人へ何かメッセージをお願いします

TAKEコミコンでは普段出会えない俳優やアーティストと気軽に交流でき、映画やドラマ、コミックなどのエンターテインメントが好きな多くのファンとも触れあえます。同じ趣味の仲間を見つけ、知らなかったコンテンツの魅力を知る場でもあります。とにかくさまざまなエンタメ文化のお祭りです。機会があったらぜひ参加してみてください。きっと気に入る何かと出会えます。

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見事な“平和”(TAKE_KUFANさん提供)

 コミコンの醍醐味であるファンとの交流によって“平和”というステキな漢字を習得したカールさん。今回の出来事はカールさんにとっても忘れられないものになったのではないかと思います。

取材協力・画像提供:TAKE_KUFAN(@TakeKufan)

(Kikka)

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