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「分裂」する現代クイズ番組と、『高校生クイズ』35年目への挑戦 ~『国民クイズ2.01』としての現代クイズ概論~(8/9 ページ)

2度優勝の筆者が分析。

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 ここからは推測の域を出ないが、おそらくは今回が「次回に向けて」の回であったからだろう。

 『高校生クイズ』は、よく「5年でひとまわり」といわれている。似たような形式が5年間続き、それが終わると大きめの方針転換が行われる、という法則だ。このあたりの経緯は『高校生クイズ』をつぶさに語るブログ『高校生クイズストーカー』や『全国高等学校クイズ選手権 大会別データ』に詳しい。

 例えば第17回は「運大王」の導入という革命が起こった。通常の早押しクイズや、探偵風の「推理クイズ」などをメインに据えていた第16回を一新させ、運だけで勝ち抜く「運大王」枠が設けられた。地方予選では通常枠の他、選ばれたチームが順にボタンを押していき、当たりを引いたチームが全国に行けるという枠が設けられた(なぜか運大王枠の出場者はかわいい女子が多かった)。全国に行っても「運大王枠」チームは運のみで上位進出が決まっていくという形式だった。

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 この「運大王」は次の18回大会にも限定的に用いられたが、19回からはナシ。とはいえ、17回が「変革を起こそうとした回」であることは間違いない

 第23回は、予選形式が大幅に変更され、インターネット予選や一芸予選が行われた。その一方で地区予選の開催会場が半減。全国大会でもタレントを多く起用して新形式のクイズが導入されたが、全体的に不評に終わった。第24回もこの路線を踏襲するが、結果は変わらず。第25回では公式に「第22回以前のような形に戻す」というアナウンスが行われている。

 そして、第28回では散々述べてきたように「知の甲子園」が導入されている。この路線は過去2回の大変革とは違い、視聴率的な大成功を修め5年間継続。そしてその5年後の第33回からは海外路線となり、この形式も現在まで5年間継続されている。

 ちなみに、『アメリカ横断ウルトラクイズ』が終了し、『高校生クイズ』が「高校生版ウルトラ」ではなくなったのが1993年の13回から。ここにも大ざっぱではあるが5年おきの波があるように思える。

 というように、『高校生クイズ』には5年ひとまとまりの周期があり、その節目節目では改革が行われてきた。

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 それを適用するならば、来年行われる第38回は改革の年となる可能性が高いのだ。

 つまり、現行形式は今回が最後、次回からは内容が刷新される。

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