ニュース

アニメの吹き替えは増えてる? ドイツの声優事情を探ってきた(1/2 ページ)

ドイツのアニメファンイベントで現地の声優さんを取材してきました。

advertisement

 ドイツのアニメファンイベントでは近年、ドイツ語吹き替え版を担当するドイツ人の声優がゲストとして呼ばれることが増えているようです。毎年秋に開催されるドイツの大型アニメファンイベントConnichi(コンニチ:参考記事)でドイツの声優事情について調べてきました。


コンニチのトークイベントでファンからの質問に答える声優の2人。左が若手声優のパトリツィア・シュトラスブルガーさん、中央がベテラン声優のウッラ・ヴァーゲナーさん

ドイツの声優とは?

 ドイツの声優ってどんな人なんだろう? まずはトークイベントに勉強しに行ってみました。登場したのは若手声優のパトリツィア・シュトラスブルガーさん(以下パトリツィアさん)とテラン声優のウッラ・ヴァーゲナーさん(以下ウッラさん)、2人ともアニメのドイツ語版で声を当てています。


ドイツのベテラン声優ウッラさん(左)と若手声優のパトリツィアさん

 パトリツィアさんは「セーラームーン・クリスタル」でちびうさを担当する他、「ワンピース」「終わりのセラフ」「ガールズ&パンツァー」に出演しました。声優になるきっかけは、17歳でラジオ番組に出演したこと。その後、ゲームの声優をしていたときにアニメ声優のオファーを受けました。ドラマCDや舞台役者としてのキャリアも5年あります。

advertisement

 ウッラさんは、初代「セーラームーン」でプルートを担当したベテラン声優。「セーラームーン・クリスタル」では悪役の1人、コーアンを担当しました。プロの舞台役者になるための職業訓練を受けたのち、スタジオに所属して活動。現在はフリーで仕事をしています。

直撃インタビュー

 まず、日本のアニメを字幕で見ることもあるという2人に、日本の声優についての印象を聞いてみました。

 パトリツィアさんは「日本の声優の演技はとても印象的だわ。特に叫ぶときは、本当に叫ぶ」ととても感心していました。一方のウッラさんは、「とても柔らかい声だと思う。ドイツとは求められている演技が違うのではないかしら」と演出の違いを指摘しました。2人とも同業者として日本の声優をとても尊敬しているそうです。

 続いて、ドイツの声優事情について聞いてみました。ドイツ語へのアニメの吹き替えは増えているのでしょうか?

 ウッラさんによると、増えている印象はあり、配信サービスの普及によるタイトル数の増加だけでなく、技術の進歩のおかげで吹き替え版が作りやすい状況になっているのではとその理由を推測。パトリツィアさんも「ファンが増えているから作品が増えるんじゃないかしら」と同様に増えていると感じています。

advertisement

 ドイツの声優業界の規模について聞いたところ、ウッラさんによると「ミュンヘンだと声優は180人程度いるわ。ベルリンはどうかしらね。男性の声が不足してるわよ」とのこと。実は、ドイツの映像産業はケルンやハンブルクも盛んですが、声優の仕事に関してはミュンヘンとベルリンに集約されているそうです。

 業界の将来についても聞いてみたところ、「今はブームじゃないかしら、今後はどうなるかは分からないわ」と冷静に分析するウッラさん。パトリツィアさんも「このまま拡大していくといいわね」と意外と淡泊な答えでした。


「セーラームーン・クリスタル」で共演したウッラさんとパトリツィアさん
       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 「バグってる」 シャトレーゼの“864円で買える”「1人用クリスマスケーキ」に大絶賛の声 「企業努力すごい」
  2. 毛糸で作ったお花を200個つなげると…… “圧巻の防寒アイテム”完成に「なにこれ作りたい……!!」「美しすぎる!」と100万再生【海外】
  3. そば屋の看板のはずが…… 雪で“別の店”みたいになってしまった光景が北海道の豪雪のすさまじさを物語る
  4. 【編み物】黄色の毛糸で5つの四角いパターンを編み、つなげると…… 鮮やかな大作の完成に驚き
  5. ヤフオクで出品されていた「20万円の引退品」→開封すると…… “まさかの中身”に賛否 「ゾッとしたわ…」「しゃーない」
  6. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」【大谷翔平激動の2024年 愛犬もすっかり“大スター”に】
  7. 甥っ子に貸したらボロボロの廃車で返ってきたリトルカブ バイク好きの本気修理と“思い”に「なんか涙出ちゃう」「思わず全部観てしまった」
  8. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」される夫婦の苦悩……“年の差33歳差”カップルに反響【個性的なカップル特集2024】
  9. 絵師が4年間イラストを描き続けたら…… 劇的な成長に思わず感動 「努力の賜物」「素晴らしい」
  10. 【今日の難読漢字】「勿忘草」←何と読む?