「性か死か」勝てば種付け、負ければ食肉行き……過酷すぎる「種牡馬」の生涯 モテない馬はどうしてる?(後編)(2/5 ページ)
夢の舞台は、数々の犠牲の上に成り立っている。
小柄すぎて、メス馬に乗れないオトコの屈辱……
オルフェーヴルの兄であり、現役時代から420キロと小柄だったドリームジャーニー。12年から種牡馬入りしましたが、男としては屈辱な「大型メス馬に乗れない」というアクシデントが起き、種付けに90分以上もかかるケースまで生まれ、満足に種付けができませんでした。
課題を突きつけられたジャーニーはその翌年の種付けシーズンまでに、小柄なメス馬たちと交配の特訓を続け猛特訓するも、その後も種付けに苦労しているようで、骨折して交配できなくなったシーズンも。
そんなすったもんだのせいか、種付け数は伸びていません。子どもは日経賞2着馬のミライヘノツバサなど、それなりに活躍を見せているのですが。
オンナの尻の高さにアレが届かない……屈辱の“シークレットスロープ”
大柄な繁殖牝馬の相手に、もっぱら生産者は小柄な種牡馬を選びます。そうして種馬とメス馬の身長差が大きくなった場合、種馬場では“逆オカ”と呼ばれる手段を講じます。スロープの下部にメス馬を置いて種馬がその上から乗るのです。これもまぁ、男としては屈辱です……。
大きなメス馬を相手にするのが苦しくなった大種牡馬ノーザンテーストの晩年も、スロープをよく利用していたそうです。
モテない馬は、アレを壁に打ち付けて自己処理……
ところで、種牡馬になれない馬はどうしたら良いのでしょう。そう、自己処理です。競馬評論家の阿部幸太郎氏が以前雑誌で語ったことによると「馬は生まれて半年くらいで(種付けが)できると思います。1年ぐらいでオナニーしますし」とのこと。その様子は壮絶で、ペニスを壁にバシンバシンとぶつけてするのだとか。そのため、壁に白いものがいっぱいついているのだそうです。
種牡馬になって、メス馬と種付けできる馬は限られています。それがかなわないものが自分で性欲を処理する……ある種悲しい行為ですが、これが現実なのです。
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