6500mという大深度潜航に耐えたマウント部の塗装剥がれがその過酷な環境を物語っている
7軸式右舷マニュピレータの船体取り付け部。ここにはマニュピレータ作業観察用のLED投光器も設けている
左舷側マニピュレータもチェック。その下のかごに採集した海底のサンプルを入れる
公開展示では船体パネルの一部をアクリル板に替えて、内部に投資した浮力材やバラスト、バッテリーを確認できるようにしていた
黒い箱状のパーツがメインバッテリー。リチウムイオンバッテリーを油に漬けた状態で搭載している
メインバッテリーの上に設置した耐圧カプセルの内部にはしんかい6500の主要制御基板を内蔵している
2011年の大改装で推進システムと操船システムを大幅に変更した。推進器はそれまでのスクリュー1基の1軸方式から左右両舷に小型のスクリューを設けた2軸式に変更している
船尾に設けた速度検出器。速度を図るだけでなく、自律制御を取り入れた新しい操船システムを構成するパーツでもある
しんかい6500の船首デッキに設けた黄色い構造物は視界に聞かない深海で目の代わりに前方障害物を見つけてくれるソナーだ。その上には潮の流れを測定する流向流速計を載せている
左に見える黄色い球状のパーツは圧縮空気を蓄えるタンクだ
よこすかの前部マストと旗甲板に搭載した各種センサーや通信用アンテナ
よこすか:前部マストと旗甲板に搭載した各種センサーや通信用アンテナ
よこすか:後部マストにもトップの風向風速計をはじめとした多数のアンテナ類が
よこすか:救命艇は左舷右舷に1隻ずつ搭載。左舷にあるオープントップの艦載艇は作業船という扱いだ
よこすか:前甲板船首楼の背面に予備いかりを用意している
船尾から船首に向かってAフレームクレーンを見上げる。バックにあるのは後部船橋。しんかい6500の着水揚収作業ではここから操船する
格納庫船首側には天井にガントリークレーンを設けている
しんかい6500の台座は底面に敷いたレールの上をウインチによって引くことで移動する
よこすか:航海船橋左舷ウイングに設けた羅針盤は接岸作業時に使用する
よこすか:前部航海船橋左舷寄りにある機関室テレグラフコンソール(その1)
よこすか:前部航海船橋左舷寄りにある機関室テレグラフコンソール(その2)
よこすか:前部航海船橋左舷寄りにある機関室テレグラフコンソール(その3)
よこすか:前部航海船橋左舷寄りにある機関室テレグラフコンソール(その4)
一般公開,前部航海船橋左舷寄りにある機関室テレグラフコンソール(その5)
一般公開,前部航海船橋左舷寄りにある機関室テレグラフコンソール(その6)
両舷前方に搭載しているスラスター制御装置(その1)
両舷前方に搭載しているスラスター制御装置(その2)
両舷前方に搭載しているスラスター制御装置(その3)
その右舷側、船橋ほぼ中央にあるオートパイロット装置
航海船橋後方に備えた「電波航法装置」はスリムタワーデスクトップPCで構成していた。ただ、説明にGPSを使うとあるので、実質的にはGPS航法装置と思われる
その右舷隣には外洋後悔をする船舶に必須のインマルサット通信装置とMF/HF無線通信装置があった
アナログ的手法で自船位置の算出に不可欠な船内時計と舷灯操作盤
しんかい6500の着水揚収作業で必要になる船体傾き操作のために砕氷船で搭載する例が多い「ヒーリングタンク」の操作パネルを備えている。タンクに注水排水することで船体を傾けることが可能だ
デジタル航海機器を備える一方で、昔ながらに「海図台に広げた海図に三角定規とディバイダーで作図して船位と速度を求めて針路を決定する」という作業も日常的に行っているという
天暦表に潮汐表に航海日誌に各種タンク管理ノートとアナログなデータ管理は今でも不可欠なのが船の世界だ
船長専用シートを航海船橋の右舷端に設けるのも船の伝統(船では右舷側が格上)
操船で重要な舵角計に傾斜計、風向風速計、そして、よこすかならではの推進器翼角計、要するに可変スクリュー翼のピッチ計が見やすい船橋窓上部に掲げてある
当然ながらAISも搭載している(テキスト表示だけれど)
航海前部船橋と総合指令室のすぐそばにある小部屋はパントリーとして簡単な温め物ができる流しになっている
航海前部船橋の下層甲板は会議室と船側士官と潜水チーム幹部の居住区になっている。船側士官居住区は右舷、潜水チーム幹部居住区は左舷ときれいに分かれているのが興味深い
さらにさらにその下層の上甲板に士官食堂、乗員食堂、料理室といった厨房食堂施設と研究室、ダイバー準備室といった研究調査用施設を備えている
ラボラトリーは研究者用ワークスペースだが、公開日には長期航海船舶の伝統芸である「花毛布」(毛布を折り紙のように折りたたむ技。本来客船で使うこの技をよこすかでも受け伝えている
上甲板で航海船橋と居住区、研究施設のエリアからしんかい6500の格納庫、着水揚収の作業甲板へとつながっている
来場者を最初に出迎えるのが朽ち果てようとしているしんかい6500。えっ? こんなにボロボロなの? と勘違いしそうになるが、これは着水揚収訓練用のダミーユニットである
その脇にある、こちらも朽ち果てそうなユニットは水中住居がブームだった1970年代に実際に居住実験で使用した「シートピア」の実物。これも立派な技術遺産といっていいだろう
IT記者は仮の姿で本業は船長(自称)。小型帆船を三浦半島の先っちょに係留する“一人旅”セイラー。伊豆諸島を旅するため、学連経験やクルー修行をすっとばして、いきなり1級船舶免許を取得してヨットに乗りはじめて早20年。かつて船で使うデジタルガジェットを紹介する不定期連載も。
→「海で使うIT」
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