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こりゃやばい! 三和交通のぶっとび特別車「SPタクシー」「忍者タクシー」に爆乗してイイキモチになってみた(3/3 ページ)

1年分笑ってきました──。でも、おふざけだけじゃない。そこにある「真の目的」とは?

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まじめな「おふざけ」の背景に、タクシー運転手・タクシー業界の課題

 昨今のタクシー業界は運転手の人材問題を抱えています。人手そのもの、そして運転手の平均年齢も50歳代と高齢化しています。三和交通は15年前の2003年からタクシー業界で初めて新卒採用を行うなど、来たるドライバー人材問題に立ち向かう施策を行ってきましたが、抜本的な解決には至っていません。

 何より、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックと、東京と関東近県は世界中から旅行客が訪れる大型イベントを控えています。また、日本は少し事情が異なりますが、海外ではUberを中心とする世界的ライドシェアサービスの普及によって業界再編の波も訪れてきています。

 また「どうしても、タクシー業界には負のイメージもある」と言います。これを打破するための取り組みの第一歩が、恐れず、次々と新しいことに挑んでいくこと。毎月のように新企画を出すことを目標としていて、毎月新サービス会議をしているそうです。「SP風タクシー」や「忍者でタクシー」もこの会議から生まれました。

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カメラに詳しい運転士が、撮り方講座とともに名所撮影スポットを回ってくれる「カメラバカドライバーと行くツアー」、日本犯罪史上最大とされるミステリー事件のスポットを回ってくれる「三億円事件ツアー」とか、いろいろな面白ツアーがあります

 例えば「THE 新撰組ツアー」は府中営業所の女性ドライバーの発案によって実現しました。発案した女性ドライバーは超歴史好き。歴女なドライバーが自らコースを考え、自らお客さんを楽しく案内するツアーになっています。お客さんは大満足。何より自身の仕事が楽しい。これから就職する若い世代に向け、「タクシー業界は楽しい」を伝える大きな力になっています。

新選組ツアーは歴女ドライバーが発案

人気企画は「心霊スポット巡礼ツアー」

 三和交通の数ある面白企画の中でも特に人気なのが「心霊スポット巡礼ツアー」(関連記事)です。2017年はツアーの当選倍率が17倍に達したほどの人気だったそうです。

「心霊スポット巡礼ツアー」。ひええええええ。怖そう

 「ずぶ濡れで乗車してきた女性。墓地のあたりで後席を見ると霧のように消えており、シートだけがじっとりと濡れていた……」。そんなタクシー怪談をよく聞きます。タクシー運転手さんの多くは実体験まではないにせよ、ウワサを聞くことはやはり度々あるそう。心霊スポット巡礼ツアーは、そういった情報を集めて独自に設定したコースを回ってくれるツアーです。何度も試走をしながら試行錯誤を重ねてツアーを完成させます。ハンパなことではできません。「営業所にお清め用の塩があるタクシー会社なんて、うちくらいじゃないでしょうか」と広報の小澤さんは苦笑いします。

 心霊現象が好きな客が集まることもあり、ツアーはものすごく喜んでもらえるそう。こういったツアーでは運転手の接客術も大事な要素です。そこに、そもそもあるプロの技が光るのですね。

 タクシー運転手、タクシー業界は近い将来、自動運転を行うAI(Artificial Intelligence:人工知能)に奪われる職業・業界だと危惧する声もあります。だからこそ三和交通は「人間にしかできないこと」に力を入れています。同社が取り組む一風変わった企画は、なるほど、全て人と人とのつながりでできています。

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忍者様、運転がウルトラうまい

 歴女の運転手が案内してくれる新撰組ツアー、心霊スポットに詳しい運転手が案内してくれる心霊スポットツアー、こんな話をしながら、なかなかディープで楽しそうと思ったところで、運転してくれた忍者さっとりくんに「どのくらい忍者に詳しいんですか?」と聞いてみました。

 「週刊少年ジャンプの『NARUTO -ナルト-』は読んだでござる」

拙者の知識はNARUTOでござる

 ということでござった。大丈夫か? NARUTOファンは濃いぞ……。じゃ、次の企画は何をやりたいですか?

 「海賊船でござる」

 ……ねぇあなたもしかして、フツーのジャンプ読者ですよね。

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 ──いえいえ。さっとりくんは運転がめちゃくちゃ上手。心霊スポットの話で盛り上がってたら、いつのまにか駅についてたくらいに滑らかでスムーズな運転でした。ガッツリと本来のプロの技を堪能できました。しかも、外国語100か国語以上に対応可能です(ただしGoogle翻訳を使用)。

 2018年6月現在、「忍者でタクシー」も「SP風タクシー」も絶賛予約受付中。守られたいあなた、ちょっと別世界を体験してみたいあなた、そして漫画好きなあなたも、ぜひタクシーに乗車して盛り上がってほしいでござる。また、運転と接客が大好きで、かつこんな一芸持ってますといった若人、三和交通は「緩め」の募集もしているそうなので、ぜひタクシー業界の門をたたいて、新世代の交通サービスを創造し、担っていってほしいのでござる。

高橋ホイコ

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