君は”ヒプマイ”を知っているか!? 女子歓喜の声優ラップバトル「ヒプノシスマイク」の魅力を徹底解説(1/2 ページ)
ヒプマイとは一体なんなのか?――“ヒプマイの沼”の住人に聞きました。
「ヒプノシスマイク」、略してヒプマイをご存じでしょうか。「最近なんだかよくこの単語を目にするなあ」という人もいれば、「いま初めて見たよ」という人もいるかもしれません。ヒプマイとは、2017年9月にプロジェクト発表とまだ世に出て間もないメディアミックスプロジェクト。しかし、既に多くのオタク女子の心をつかんでいます。
ヒプマイは、二次元イケメンキャラがラップバトルを繰り広げる男性声優×ラップ音楽原作のプロジェクト。CDを中心にコンテンツを発信し、ライブやグッズ展開も積極的に行っています。
2018年4月27日に公開された第2弾アンセムソング(※)である「ヒプノシスマイク -Division Battle Anthem-」PVのYouTube再生数は200万回を超え、「ヒプノシスマイク」公式Twitterアカウントのフォロワーもすでに10万人を突破しています。まさに今盛り上がりを見せているジャンルなのです。
※「アンセムソング」……キャラクターが全員集合するなどそのタイトルを象徴する曲
でも、一体ヒプマイのどこがオタク女子たちを引き付けているのか? どんな魅力を持ったコンテンツなのか? ヒプマイに嵐のごとくハマってしまったオタク女子・俗ナナコさんに語ってもらいました。
ヒプマイとの出会い
男性声優×ラップバトル×二次元という新ジャンルで登場したヒプノシスマイク。その存在はすっかり定着した「二次元アイドル」や「二次元バンド」文化とは違ったギラギラとした輝きを放っている。
筆者もまた、そんなヒプノシスマイクの魅力にやられている1人だ。しかしながらもともとラップに興味があったわけではなく、むしろ全く無知といっていいほどノータッチな人間だった。
出会いはとあるアニソンクラブイベントだ。そこで、初見の人間からすると呪文のような歌詞を完全に暗記して叫ぶ、フロアの熱に圧倒された。
一体何が皆の心をここまでつかんでいるのか? 私は家に帰る道すがらiTunesを開き、ヒプノシスマイクで検索。1番人気の曲をダウンロードした。それが「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」であった――。
それからというもの、寝ても覚めてもヒプノシスマイクのことを考えるようになってしまった。使いつくされた表現かもしれないが、”沼”なのだヒプマイは。それもかなりの沼。以下、筆者の思うヒプノシスマイクの“8つの魅力”について解説していこうと思う。
ヒプマイの魅力その1:多様性に富んだ濃いキャラクター
まず見てほしい。この集合ビジュアルを。
ラッパーの集まりというと、いかつい筋肉隆々のメンズが集合してるのでは?と思われる人もいるかもしれない。だが御覧の通りだ。そう――顔がいい。
12人のキャラクターは3人1組でチームを組んでおり、それぞれイケブクロ・ヨコハマ・シブヤ・シンジュクに拠点を置いている(それぞれ地名+ディビジョンと呼ばれている)。全員を紹介していきたい気持ちでいっぱいではあるが、文字数の関係上職業のみ紹介させていただきたい。
左からホスト、会社員、医者、高校生、中学生、萬屋(よろずや)、元海軍、ヤクザ、巡査、作家、デザイナー、ギャンブラー。ヒリヒリしちまうラインアップだ。二次元三次元問わずこの業種の人間が一堂に会することはほとんどないと思われる。
職種だけでかなり濃い。そしてさらに一人一人のキャラクターも相当エッジがきいている。例えば、元不良のオタク、野生動物を調理しまくる元海軍兵、女性恐怖症のホスト、虚言癖をもつ作家――トリッキーな設定の数々に「一体どういうことなの?」と気になったが最後。あれ? 気付けば首まで沼につかっちゃってた。そんな構造だ。
ヒプマイの魅力その2:すごい声優のキャスティング
顔だけではなく、声もいい。シンジュク・ディビジョンの神宮寺寂雷(じんぐうじじゃくらい)役にはデビュー38年を誇るベテラン声優・速水奨。対してシブヤ・ディビジョンの有栖川帝統(ありすがわだいす)役は昨年デビューの新人声優・野津山幸宏――と、声優陣の幅の広さもヒプマイの魅力の1つだ。え、こんなことある?というレベルの層の厚さである。
さらにイケブクロ・ディビジョンの山田一郎役の木村昴。2代目ジャイアン役として有名な彼だが、音痴どころかヒップホップ育ちらしく、ラップがものすごく上手なのだ。ラップがゲロウマなジャイアン。これだけでもう十分なのに、さらに木村さんは『好良瓶太郎』名義で自身の担当曲「俺が一郎」の作詞も務めていたりする。多才かよ。
ヒプマイの魅力その3:ガチな音楽
12人のキャラクターにはそれぞれ1人ずつの個別曲があるのだが、これに関して、「キャラクターソングみたいなものなのかな」と聴くと驚くかもしれない。単独で曲としての完成度がハンパないのだ。
ラップに明るくないため以下は受け売りになるが、作詞作曲両方にラップ界で有名な名前が並ぶ。サイプレス上野、作詞作曲でKURO(HOME MADE 家族)、トラックメイカーとしてALI-KICK、CHIVA from BUZZER BEATS for D.O.C……とそうそうたるメンバーだ。歌舞伎町のホストである伊奘冉一二三(いざなみひふみ)の担当曲「シャンパンゴールド」の作詞は、「PERFECT HUMAN」の大ヒットも記憶に新しいあのオリエンタルラジオ藤森慎吾が務めている。
細部まで行きわたったスタッフィング、漂う「遊びじゃねんだよ」感に震えが走る。
私のおすすめは、シンジュク・ディビジョンの観音坂独歩(かんのんざかどっぽ)が歌う「チグリジア」だ。観音坂独歩は社畜という属性を持っていて、キレ散らかして絶叫するキャラクターなのだが、この曲を聴くとちょっとイメージが変わる。作詞の弥之助・作曲のBoy Geniusが所属するヒップホップバンドAFRO PARKERは、メンバー全員が会社勤めの傍ら活動を行っているそうだ。そんなバックボーンも影響してか「チグリジア」は、社会で摩耗する悲哀を美しくもリアルに表現した1曲だ。
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