松本智津夫元死刑囚らオウム真理教関係者7人の死刑一斉執行 同一事件による7人同日執行は今回がはじめて
上祐氏「麻原死刑囚にかつてのような思いはない」。
オウム真理教の教祖、麻原彰晃こと松本智津夫元死刑囚の死刑が7月6日午前、執行された。同日には、井上嘉浩元死刑囚、中川智正元死刑囚、早川紀代秀元死刑囚、遠藤誠一元死刑囚、土谷正実元死刑囚、新実智光元死刑囚らの死刑も執行された。同一事件による7人同日執行は今回がはじめて。
死刑が執行された松本元死刑囚は、1984年にオウム真理教の前身である「オウム神仙の会」を設立。麻原彰晃と名乗り、ヨガ修行などを行うことにより超能力などの力を得られるとして、最盛期には1万人程度の信者を集めたとされている。
一方で多額の寄付を求める、信者の離脱を許さないなどの方針を巡り、信者の家族や教団施設の周辺住民らなどとトラブルになっていた。その後、坂本弁護士一家殺害事件、松本サリン事件、公証役場事務長監禁致死事件、VX襲撃事件、地下鉄サリン事件などを主導したとして1995年5月16日に逮捕。13の事件で罪に問われ、2006年に死刑が確定。早川元死刑囚ら元幹部13人の死刑も順次確定した。
2018年1月に高橋克也受刑者の無期懲役判決が確定したことなどを受け、3月14日、15日には13人の死刑確定囚のうち、小池(旧姓・林)泰男死刑囚が仙台拘置支所に、宮前(旧姓・岡崎)一明死刑囚と横山真人死刑囚が名古屋拘置所に、新実智光元死刑囚と井上嘉浩元死刑囚が大阪拘置所に、中川智正元死刑囚が広島拘置所に、早川紀代秀元死刑囚が福岡拘置所に移送された。移送先の拘置所には死刑執行設備があった。
オウム真理教元幹部で、後継団体「Aleph(アレフ)」から分裂した「ひかりの輪」代表、上祐史浩氏は正午から会見を開き、「当団体は被害者の皆さまへ被害者賠償に努めるとともにアレフの拡大抑止など再発防止に努めていきたいと思います」「麻原死刑囚に関しては、特段の、かつてのような思いはありません。10年以上前に麻原から離反し、麻原を批判してきましたので、麻原やその他から見ると(私は)裏切り者で、緊張感がありました。今回の執行によってその微妙な緊張感が少し落ち着くと思うというのが率直なところです」と語った。
また死刑執行を受け、上川陽子法務相は同日午後0時半ごろから臨時の会見を開き、執行に至った経緯について語る予定。
今回の執行により、オウム事件関連の死刑確定死刑囚は林泰男死刑囚、端本悟死刑囚、岡崎一明死刑囚、豊田亨死刑囚、広瀬健一死刑囚、横山真人死刑囚の6人となる。
またオウム真理教の後継団体は、前述の「Aleph(アレフ)」(信者約1470人)、「ひかりの輪」(信者約150人)のほか、通称「山田らの集団」(信者約30人)が確認されている。
(Kikka)
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