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着てみた感想は「かなり冷たい!」 JAXAの最新技術を生かした「冷却下着」を体験猛暑対策展

これがJAXAの本気。

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 7月18日~20日に東京ビッグサイトで開催された「第4回猛暑対策展」。日本ユニフォームセンター帝国繊維ブースでは、同社が開発する「冷却下着 ベスト型」をはじめとする新製品の展示が行われていました。

 「冷却下着 ベスト型」は、JAXAの技術、研究成果を利用して新製品を作る「JAXA COSMODE」ブランドによるもの。JAXAが研究を進めてきた「次世代最先端宇宙服の研究」に参画し、その研究成果から生まれたのがこの「冷却下着 ベスト型」だといいます。ベスト型は2014年から一般発売されていますが、今回はベスト型以外の冷却ソリューションも参考展示されていました。

 宇宙服は通常、温度差が200度以上ある宇宙空間で宇宙飛行士の身を守るため、外側には断熱素材が使われており、一種の魔法瓶のような構造になっています。このため内側は体温によってどんどん温度が上昇しまうという欠点があり、これを克服するために全身を冷却するインナーの研究が続けられてきたのだそうです。その研究過程において、“冷却水循環型”の冷却システムが開発され、それを元に今回の冷却ベストが作られました。

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 宇宙服は宇宙飛行士に合わせてオーダーメイドされますが、冷却ベストの場合は市販品となるため、多くの人が着られるサイズ感をはじめ、体の動きを妨げない柔軟性、さらにはコストや生産性など課題が山積みだったとのこと。そこでいくつかの試作品を作り、化学防護服を着て救助活動を行う消防士の意見を元に量産モデルを決定し、最終的に1着6万円(税別)という低コストを実現しました。

 価格だけを聞くと高額に感じますが、それまで爆弾処理班などが使っていた冷却ベストが40万円ほどだったことを考えるとかなりのコストダウン。また、安価なタイプは効果時間も短く、保冷効果が失われたらただ重いだけのベストになってしまうため、現時点ではコストパフォーマンスのよい冷却ベストといえそうです。

 基本的な仕組みは、冷却装置で冷やされた水をポンプで送り出し、ベストに張り巡らせたチューブが着用部位を冷やすというもの。体温であたためられた水はタンクに戻って再び冷却されます。また、下着の素材も汗を吸収、発散しやすいものを使用しており、皮膚を常に快適な状態に保ちます。

 水を冷却するための外部装置は、用途や目的に応じて3種類が用意されています。標準タイプはタンク型で氷や保冷剤を使用、リュック型は保冷剤やウオーターバッグをリュックに収納し、モバイル性に優れます。今回新たに紹介されたチラー型は外部電源によってタンクを冷却するため、長時間作業に向いています。

 実際に着てみた感想は「かなり冷たい!」という感じでした。保冷剤を収納するタイプと違って、ベスト全体が冷えるので偏りが少なく、とても気持ち良い装着感でした。暑い場所での作業など実際の使用時は、未使用時と比べて6.7度ほど服内温度が下がり、疲労も軽減されるということです。体にフィットするので着膨れ感のある空調服と比較して見た目もスマートなのが気に入りました。

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 ベスト以外にも、バラクラバ(目出し帽、フードタイプ)や、腕、足をカバーする全身タイプが開発中。業務内容によってはベスト型(胴体部の冷却)ではなく、頭部や脚部など体の一部もしくは複数の部位を冷却したいというニーズもあるとのこと。各所からチューブが出ている様子は未来っぽさも感じます。

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