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うぉぉ和製メッサー「飛燕」日本にここだけ!! 飛行機&戦ゲー好きの聖地「かかみがはら博物館」へ行ってみた(1/3 ページ)

日本最大級、航空と宇宙を同時に体験できる博物館。航空機の魅力にたっぷり浸れます。【写真46枚】

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 普段は遠くからしか見られない、あるいは写真やゲーム内でしか見られない航空機や宇宙開発の裏側を、間近に迫って見られる日本最大級の航空博物館が岐阜県各務原市にあります。それが「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」です。

広大な展示スペースに「名機」がズラリ!

 かかみがはら航空宇宙博物館は、2018年3月にリニューアルオープンし、20世紀に生まれた航空機の数々を軸に展示内容を大きく強化しました。2018年8月現在、大小40機以上の航空機をズラリと展示し、貴重な機体や設備、資料を間近で見学できるようになっています。

 中でもかかみがはら航空宇宙博物館は、旧日本陸軍の戦闘機「三式戦闘機 飛燕(以下飛燕)」を日本で唯一実機を展示する施設です。飛燕は俊敏に飛ぶ燕に似ていることから名付けられ、その名の通りシュッとスマートな美しい機体デザインが特徴。名機「メッサーシュミット」などを擁する同盟国だったドイツ由来の液冷エンジンを搭載していたことから和製メッサーなどとも呼ばれます。「艦隊これくしょん(艦これ)」やマルチコンバットゲーム「War Thunder」などでも登場するのでファンも多い機体です(あまり強くはなかったけれど)。

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貴重な実機「飛燕」を筆頭に、戦中戦後の航空機がズラリ

 まずは1階の「航空機と航空機産業の始まり」エリアに入室します。ここでは日本の最初期の飛行機である「乙式一型偵察機」が出迎えてくれます。乙式一型偵察機は上下に2枚の翼を持つ複葉機であること、そして後方に置かれた設計図がその歴史を物語っています。エンジンのあちらこちらもじっくりと見学できます。

日本の最初期の航空機「乙式一型偵察機」(写真=左) 乙式一型偵察機の設計図(写真=右)

 次のエリアは「戦前・戦中の航空機開発」。部屋には2機の飛行機が展示されています。まずは零式艦上戦闘機(零戦、ゼロ戦)の試作機である「十二試艦上戦闘機」の実寸大模型です。スポットライトが当てられた機体は天井から吊り下げられており、暗めの部屋と相まって、まるで飛んでいるかのようです。下には設計時の貴重な当時のメモなども展示されていました。

零戦の試作機「十二試艦上戦闘機」(実寸大模型)

 そしてもう1つが、かかみがはら航空宇宙博物館の目玉展示となる旧日本陸軍の戦闘機「飛燕」です。これは唯一良好な状態で現存する実機。ここでしか見られない、本当に貴重な機体です。

 いかがでしょうこの流線型の美しいフォルム。見とれてしまうほど美しく、いろいろな角度から眺めたくなります。実際に搭載されていた液冷エンジンや飛行距離を増やす増槽タンク、計器盤なども別途展示され、個別にじっくりと見学できるようにもなっています。

日本陸軍の戦闘機「飛燕」! この飛燕二型試作17号機は、戦中川崎航空機岐阜工場で製造され、接収、譲渡返還、長期に渡る保管や貸与展示などを経て、川崎重工岐阜工場で修復され、今回の博物館のリニューアルとともに恒久展示されるに至った機体
「飛燕」上部。大きく開いている細長い穴は機銃口
飛燕で使われた液冷エンジン「川崎 ハ140」
十二試艦上戦闘機と飛燕に搭載されていた計器盤

 飛燕の美しさの余韻に浸りながら、続いて「戦後日本の航空機開発」エリアへ足を踏み入れます。そこはズバンと広大、吹き抜けのどえらく広いスペースに、実験機、ヘリコプター、4発機などなど合計20機以上の航空機がズラリと並んでいました。これは壮観です。

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20種類以上の機体が集まる、なんとも壮観な空間

 展示エリアの中央付近に、航空自衛隊で使われた戦闘機「F-104J」があります。F-104Jは1960年代の代表的なジェット機。機体は細長くとがっており、いかにも速そう。最高速度はマッハ2以上です。機体の横後方にはその速度を生み出す強力なエンジン「J79」も展示されています。

航空自衛隊で使われた戦闘機「F-104J」

 機体の迫力とともに、機体に書かれていた表記にも注目です。操縦席の周辺には外からコックピットを開ける際の手順が英語だけではなく、きちんと日本語でも説明されていることを初めて知りました。戦闘機といえども実用品であるということを実感でき、またステンシルっぽい日本語の書体もなかなかかっこいいものです。

コックピットの開け方が英語と日本語で説明されていた
F-104Jのエンジン「J79」

 F-104Jのとなりには航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」(関連記事)で使われた「T-2」が展示されています。ブルーを基調にした機体がかっこいいですね。

 このほかに、コンピュータで飛行状態を管理することでT-2から操縦性を向上させたという実験機「T-2 CCV研究機」も目立っていました。こちらは赤と白を基調に塗装されており、ブルーインパルスの機体とはまた違った魅力があります。

ブルーインパルス仕様の「T-2」
主翼の下から
改造された実験機「T-2 CCV研究機」

 戦後に誕生した国産旅客機「YS-11A」も目玉の1つです。エアーニッポン(2018年現在はANAに吸収合併され、解散)就航時の塗装で再現した機体で展示されています。こちらは館外の広場にデン! と置いてあったので、今にも搭乗できそうな雰囲気がありました。

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 YS-11は旅客機としては小型の飛行機ですが、それでも近寄ってみれば大迫力。人の背丈よりも大きいプロペラから、往年の力強さを感じます。翼の真下に潜ってみれば、あらためて旅客機の大きさを体験できるはずです。

小型ながら威風堂々とした国産旅客機「YS-11A」
プロペラはかなり大きい
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