「東京ドーム○個分」が分かりづら過ぎるので、新しい例えを考えたい
何が「○個分」ならイメージしやすいのか。
「東京ドーム○個分」という面積の表し方がある。有名な場所を具体例に使うことで、広さをイメージしやすくしよう……という考えなのかもしれないが、実際のところ、どうだろう。「もちろん名前は知っているが、例に出されてもピンと来ない」という人が多いのではないだろうか。
もっと分かりやすい例えはないか、東京ドームに代わる面積の表現を考えてみたい。
「東京ドーム○個分」にあたる英語は?
この問題を考えるにあたって、まず気になったのは「海外ではどのように面積を例えているのか」ということ。東京ドームが知られていない外国でも、似たような表現は使われているのだろうか。
英語について調べてみたところ、同じような場面ではアメリカンフットボール場(football field)などを使うらしい。もっとも、アメリカでは特に他のものに例えず、「デカい!」「巨大!」くらいにざっくり表すことが多いという。「雰囲気さえ伝われば、こまけぇこたぁいいんだよ!!」というスタンスなのかもしれない。
※調べていて知ったのだが、「おおよその数字」のことをアメリカでは「ballpark figure」というそうだ。由来については「野球場の入場者数の出し方がおおよそだから」「打球の飛距離は大きく見積もっても野球場の広さには収まるから」といわれているようだ。
「東京ドーム○個分」よりも分かりやすい表現は作れるか
アメリカの広さの例えにはアメフトのフィールド、日本ではプロ野球の試合でおなじみの東京ドームが使われる。どちらも「その国の人々にとってなじみ深いスポーツの競技場」という点で共通しているが、きっと以下のようなメリットがあるからだろう。
- 広さを体感的に知っている人が多い
- 誰もが同じくらいの広さでイメージできる
- 広大な面積を表すのに十分なサイズがある
これらの条件を満たし、東京ドームよりピンと来るものはないだろうか……。ちょっと惜しいのが「畳」で、体感的に広さが分かるし、イメージする広さもだいたい一致すると思われる。しかし、畳1枚あたりの面積が小さいので、部屋くらいの広さしか表現できない。
もっと広いものはないかといろいろ考えたが、今回は「渋谷駅前のスクランブル交差点」を提案してみたい。何かとTVに映る有名なスポットで、通行人や周囲の建物との比較からおおよその広さもイメージできるだろう。
Googleマップの航空写真から計算すると(どこを境界とするか微妙なのが難点だが)、スクランブル交差点の面積は1786平方メートル。東京ドームの建築面積は4万6755平方メートルなので、「東京ドームは、渋谷のスクランブル交差点約26個分の広さ」ということになる。他のものにも当てはめてみると、以下のようになる。
<渋谷のスクランブル交差点に換算した面積>
- ディズニーランド:約286個分(テーマパークエリア/51ヘクタール)
- 北海道大学札幌キャンパス:約997個分(178ヘクタール)
- 琵琶湖:37万5140個分(約670平方キロメートル)
置き換えてみて、分かりやすくなったかというと……うーん。
東京ドームにせよ、渋谷駅前のスクランブル交差点にせよ、そもそも1つしか存在しないものだ。「それがいくつもあった場合の面積の合計」という、現実にはありえないものをイメージすること自体が、かなり難しいような……。
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