ニュース
「漫画村」特定弁護士が海賊版サイト対策で提言 「運営者特定は可能」「ブロッキングの立法根拠存在しない」
「合理的な費用負担の範囲で侵害者を探知する方法がある」ときっぱり。
advertisement
米国での訴訟手続きを通じ、海賊版サイト「漫画村」運営者とみられる人物の特定に成功したこと(関連記事)を受け、リンク総合法律事務所の山口貴士弁護士は10月10日、政府・知的財産戦略本部の「インターネット上の海賊版対策に関する検討会議」に対し、「運営者特定は可能」「ブロッキングを立法する根拠となる立法事実は存在しない」とする意見書を提出しました。
山口弁護士は意見書の中で、CDN(コンテンツ配信ネットワーク)側に対し罰則付召喚令状(※)を送り、違法アップロードサイトの運営者情報開示を求めることで、運営者情報を特定する方法を解説。実際にCloudFlareに対しこれを行うことで、サーバ契約者(=漫画村運営者とみられる人物)を特定できたことを報告しています。なお、今回のケースでは訴訟提起から情報提示までわずか17日しかかかっておらず、さらに海賊版サイトがCloudFlare以外の米国内のCDNを利用していても、同様の方法が適用可能とのこと。
※Subpoena=サピーナ。従わない場合、法廷侮辱罪による民事罰が存在
こうした実情を踏まえ、山口弁護士は、現在政府が進めようとしている「緊急避難としてのブロッキング」について、合理的な費用負担の範囲で侵害者を探知する方法がある以上、「緊急避難の補充性の要件は満たされず、ブロッキングを立法する根拠となる立法事実は存在しないものと考える」と結論付けています。
advertisement
関連記事
漫画村との取引否定していた広告代理店、一転して「深く反省」 関係者は「海賊版と手を切れば仕事ない」と証言
社員への謝罪メールを独自入手し、広告代理店を直撃。メディアドゥが「海賊版サイトの影響」で業績下方修正 海賊版サイトの影響示すデータも公開
海賊版サイトの利用者数が増加したとされる「2017年秋」を境に、複数のデータが減少傾向に転じていることを示しています。「二度と掛けてくるな」 “漫画村”広告主への取材一部始終、広告は取材後に消滅
広告元は取材に対して「二度と掛けてくるな」。「日本の文化が滅びてしまう」 日本漫画家協会が海賊版サイトについて見解を発表
「全く創作の努力に加わっていない海賊版サイトなどが、利益をむさぼっている現実があります」。「望んで広告を出しているものではない」 海賊サイト広告問題、出稿していた大手企業の言い分は
アフィエイターが無断で海賊版サイトに出稿している可能性も。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.