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小学生の手書き文字を元にした「全児童フォント」 「Wii U買ってあげるから」と息子に書かせた約7000文字

作者が息子の書いた約7000文字をトレースし、調整して作成。有料版は難しい漢字もきちんと表示されます。

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 小学1年生の手書き文字を元に作られた、「全児童フォント(フェルトペン)」が公開されました。字を覚えたての子どもが背伸びして漢字に挑戦したような、たどたどしい字体にほっこりさせられます。

童心を思い出させる字体

 価格は1410円(税込)で、JIS第二水準漢字やIBM拡張文字などを含む、6700文字以上を収録。元が「小1ががんばって書いた字」なので、“オリジナル漢字”も多数混入しているとのことです。

 同時に、収録された漢字が教育漢字(1006文字)のみの無料版も公開。こちらでも難しい漢字の表示は可能なのですが、子どもが描いた“黒いソフトクリーム的な何か”が上乗せされるので、公的な文書に使う際は注意が必要です。こんな無料版・有料版の差別化、今までにあっただろうか。

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有料版は、筆致こそおぼつかないものの、難しい漢字もしっかり表示
無料版の場合、小学校では習わない漢字全てに、ンコっぽい落書きが乗せられます

 作者のたぬき侍(@tanukizamurai)さんに詳細を聞きました。2012年に平仮名中心の「ようじょふぉんと」(関連記事)を作ったのち、片仮名や漢字も入った完全版を作りたいと思い、全児童フォントの制作を始めたといいます。

 モデルとなった文字は、当時小学1年生だった息子さんによるもの。「書いてくれたらWii Uを買ってあげる」と約束し、約7000もの文字を鉛筆書きしてもらったそうです。

息子さんが書いた生原稿。筆致はけっこう整っていて、単にごほうび目当てでがんばっただけではないように思えます

 原稿はスキャンして、Adobe Illustratorで調整。誤字が多く、忠実に再現しすぎると誰も読めなくなるだろうと判断し、随時線を引き直してフォント形式に整えたそうです。「なるべく忠実に」と「読みにくいけど読める」の中間を目指したのが、一番の工夫なのだとか。

 累積の作業時間は半年程度でしたが、「飽きっぽさから、1カ月作業しては飽き、数カ月後に再開しては飽き……をくり返し、完成に5年かかった」とのこと。原稿を書いてくれた息子さんはもう小学6年生です。たぬき侍さんは「自分の子どもの字をなぞるのは貴重な体験で、苦労を感じず楽しみながら作業できました」と、5年間を振り返りました。

画像提供:たぬき侍(@tanukizamurai)さん


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