秋田のナマハゲや沖縄のパーントゥ 日本の来訪神行事8件、ユネスコ無形文化遺産に登録決定
民族仮面クラスタ「うおおおおおおおお」
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は11月29日、モーリシャスで開催している政府間会議にて、「男鹿のナマハゲ」や「宮古のパーントゥ」などの「来訪神:仮面・仮装の神々」を無形文化遺産に登録することを決定しました。
「来訪神:仮面・仮装の神々」は、国内に伝わる仮面・仮装を使った来訪神(らいほうしん)行事8件を一括したもの。いずれも国指定重要無形民俗文化財で、「甑島のトシドン」(鹿児島県薩摩川内市)、「男鹿のナマハゲ」(秋田県男鹿市)、「能登のアマメハギ」(石川県輪島市・能登町)、「宮古のパーントゥ」(沖縄県宮古島市)、「遊佐の小正月行事(アマハゲ)」(山形県遊佐町)、「米川の水かぶり」(宮城県登米市)、「見島のカセドリ」(佐賀県佐賀市)、「吉浜のスネカ」(岩手県大船渡市)になります。
文化庁がユネスコに「来訪神:仮面・仮装の神々」を審査申請したのは2017年度。かつて2011年にナマハゲを単体で登録できないか情報照会を行いましたが、2009年に重要無形民俗文化財に登録された鹿児島の来訪神行事「甑島のトシドン」と類似していたため認められませんでした。そのため登録済みのトシドンに国内ほかの来訪神行事も合わせ、「来訪神:仮面・仮装の神々」と一括して申請し、このたび登録が決定しました。
来訪神の行事は、年初めや季節が変わる日に外の世界の神々が地域社会を訪問し、新しい年や時節に福をもたらす民俗信仰に由来したもの。儀式では地元の人々が仮面や仮装で神格を身に着けて家を訪問し、怠惰を戒めたり子どもに良い行動を教えたりします。行事にはそれぞれ地域ならではの歴史的文脈や特色があり、そうした多様性、儀式が地域コミュニティーの醸成を担っていることなどが、無形文化遺産の審査の焦点となっていました。
(黒木貴啓)
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